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災害と建設業(1)〜災害発生直後の対応〜

地震や津波、洪水、土砂崩れといった大規模な災害が発生すると、多くの死傷者が出るとともに、道路や電気・ガス・水道などの各種インフラが寸断され、多くの建物にも甚大な被害が発生します。街が被ったダメージから復興するためには、建設業の力が必要とされます。
今回は災害が発生した際に、建設業界に何が期待されるのか、どんな影響があるのかを考えていきます。第1回は災害発生から間もない時期に期待される役割や注意点についてです。

災害と建設業(1)〜災害発生直後の対応〜

災害の発生直後に期待されること


災害が発生したとき、まず行われるのは人命救助です。それらの行為は、一般的には警察や消防、自衛隊などが行うものと認識されています。

しかし、実際の災害現場では、大量の土砂が道路を寸断したり、倒壊した建物の瓦礫が道路を塞ぐなどして、消防などの救助車両が現場にたどり着くことすら難しいという事態も起こります。救助現場においても、土砂や樹木、大きな瓦礫などを建設業者が保有する専門の重機を使って撤去しないと捜索を進められないということもあります。

このように、災害発生の直後から建設業には大きな役割が期待されているのです。

災害発生後すぐに行うべきこと


災害が発生した場合、近隣地域の建設業の経営者は、まず何をするべきでしょうか。

行政などからの災害対応への支援要請は、多くの場合、地域の建設業者を統括する協会や組合を通して行われます。そのため、まずは自らが所属する地域の協会や組合との連絡を確保することが望ましいといえます。

同時に、自分の会社で何をどのぐらい協力できるのかを把握する必要があります。地震や洪水など、被害が広範囲に及ぶ災害の場合、現場に出る作業員も被災している恐れがあるため、まずは社員や下請けの企業、個人事業者などの安否と状況の把握に努めることが重要となります。
また、重機等の作業機械をどの程度、災害現場に投入できるかも確認する必要があります。

比較的小規模の災害では、そのときに請け負っている現場の作業を続けながら、災害対応に協力することもあるでしょう。そうした場合、重機は用意できないが免許を持った作業員なら派遣できるとか、逆に人は出せないが重機だけなら出せるということもあるでしょう。そうした場合は、協会等を通して、ほかの業者と協力しながら災害対応を行うといったような柔軟性のある対応が必要になってきます。

作業現場での安全の確保が重要


建設業者は土砂や瓦礫の撤去といった作業に専門的な知識や経験を有しています。しかし、災害現場における作業では、日頃の作業と状況が大きく異なってきます。

最大の問題は危険性が非常に高いということです。震災なら、余震の心配がありますし、洪水なら、堤防の決壊などで被害が格段に拡大する恐れがあります。土砂崩れは、少しの雨などでさらに崩れる危険があります。

一刻を争う現場では、十分な下調べや準備を整える余裕もないままに作業を始めなければいけないケースも多々あります。現場に入ってしまうと、状況に流されてなし崩し的に危険な作業を行ってしまいがちなため、安全への配慮については、作業員を現場に派遣する前の段階で、経営者や現場監督者が十分に確認しておくことが重要です。

安全の確保が難しいと判断した場合は、現場に入ることを断念することも必要な勇気です。また、現場に入ってからも、状況の推移に十分に注意を払い、決して慌てずに、落ち着いて作業することが求められます。状況が悪くなった場合は、一時撤退の決断も必要とされます。

「災害と建設業」はこちら↓
(1)災害発生直後の対応
(2)災害復興最初期の対応
(3)災害復興初期の対応
(4)災害復興中期の対応
(5)災害復興後期の対応
(6)災害復興対応のまとめ

「関連記事①-地方活性化と建設業」はこちら↓
(1)建設業の果たしてきた役割と現状
(2)人材移動の功罪
(3)経営の多角化がカギを握る
(4)経営多角化の事例

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