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高騰が止まらない設備工事費の現状と今後の動向|2024年版

最終更新日:2024年5月7日

【止まらない設備工事費の高騰】
「建築費が超高騰時代へ突入すると見込まれる具体的な理由とは」で紹介したように、国内の建設市場では2021年より続く資材価格の高騰、2022年から続く世界的なインフレから影響を受け、2024年に入っても建築コストの高騰が続いています。

こうした中、近年ではゼネコン(建設会社)が設備工事会社(設備サブコン)に発注する設備工事費の高騰が顕著になっており、今後の先行きが懸念されています。

設備工事費高騰でゼネコンのコスト増加が加速へ

そこで、今回は、現在までに設備工事費はどの程度上昇しているのか、また、設備工事費を取り巻く建設市場の状況と今後の設備工事費の見通しがどうかについて、以下の観点から解説していきます。

1. 設備工事費はどの程度高騰しているのか?


この3年で設備工事費は68.5%も上昇している

まず、2017年から2023年12月までの全国における設備工事費全体の水準を見てみると、この6年間で77.1%と約8割も上昇していることが分かります。特に2021年に入ってから上昇率は大きくなり、2020年12月から2023年12月までの3年間で約68.5%も上昇していることが読み取れます。(下図参照)


全国における設備工事費の推移


続いて、各設備工事費の水準について、現在までにどの程度上昇しているのかを見ていきます。

1) 電気設備工事費の推移

全国における電気設備工事費の水準は、2017年から2023年12月までの6年間で約63.0%上昇しています。また、2020年12月から2023年12月まで、この3年間で55.2%と5割以上も上昇していることが読み取れます。(下図参照)


全国における電気設備工事費の推移



2) 空調設備工事費の推移

次に、全国における空調設備工事費の水準について見てみると、2017年から2023年12月までに、6年間で約96.3%上昇しています。また、電気設備工事費と同様に、2021年に入ってからの上昇が顕著で、2020年12月から2023年12月までの3年間で約85.2%も上昇していることが分かります。(下図参照)


全国における空調設備工事費の推移



3) 衛生設備工事費の推移

続いて、全国における衛生設備工事費の水準について見てみると、2017年から2023年12月までに約72.9%も上昇しています。さらに、電気設備工事費や空調設備工事費の水準と同様に、2020年12月から2023年12月の3年間での上昇率が65.2%と6割以上も上昇していることが読み取れます。(下図参照)


全国における衛生設備工事費の推移



このように、全国における設備工事費の水準は、各設備工事で上昇傾向にあり、また、特に2021年に入ってから大きく上昇していることが分かります。


2. 設備工事費を取り巻く建設市場の状況について


設備工事費が高騰している原因については「設備工事費が高騰している具体的な理由とは|2023年版」で紹介しましたので、今回は設備工事費を取り巻く建設市場の状況について、以下の観点から見ていきます。

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