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コミットメント制度とは|意味・コミットメント条項・労務費基準との関係|建設用語集

【コミットメント制度】
コミットメント制度とは、建設工事の請負契約において、受注者が注文者に対し、適正な賃金や労務費を、雇用する技能者や直接の下請事業者に支払うこと等を約する仕組みをいう。

必要に応じて、注文者が受注者に対し、賃金や労務費の支払いに関する書類等の提出を求めることができる点も特徴である。

労務費に関する基準では、見積・契約段階で適正な労務費を確保するだけでなく、その労務費が最終的に技能者の賃金として適正に支払われることが重要となる。コミットメント制度は、この「労務費の行き渡り」を確認するための実効性確保策の一つである。

コミットメント制度の目的
コミットメント制度の目的は、適正な労務費・賃金の支払いを受注者だけに委ねるのではなく、契約当事者間で支払い状況を確認できる仕組みを整えることである。

従来の建設工事では、発注者から元請、一次下請、二次下請へと請負契約が重層化する中で、上流で確保された労務費が下流の技能者まで十分に届きにくいという問題があった。

コミットメント制度により、受注者は自社の技能者へ適正な賃金を支払うことに加え、直接の下請事業者へ適正な労務費を支払い、さらに下請先においても適正な賃金・労務費支払いが行われるよう契約上確認することが求められる。

コミットメント条項とは
コミットメント条項とは、建設工事標準請負契約約款等に新設された、労務費・賃金の適正な支払いに関する表明や情報開示に関する条項をいう。

主な内容は、次のとおりである。

・発注者と受注者が、請負代金内訳書に明示された労務費が適正な労務費であることを確認する
・発注者が、労務費を含む請負代金額を受注者に支払う
・受注者が、雇用する技能者に適正な賃金を支払う
・受注者が、直接の下請事業者に適正な労務費を支払う
・必要に応じて、注文者が支払いに関する書面の提出を求めることができる

なお、コミットメント条項は、契約当事者が任意で利用できる選択条項として位置づけられている。

労務費に関する基準との関係
労務費に関する基準は、建設工事を施工するために通常必要と認められる労務費を示す基準である。

一方、コミットメント制度は、見積・契約段階で確保した労務費が、下請事業者や技能者まで適正に行き渡るかを確認するための仕組みである。

つまり、労務費に関する基準が「適正な労務費をいくら確保すべきか」を示す制度であるのに対し、コミットメント制度は「確保した労務費が適正に支払われるか」を確認する制度である。

実務上のポイント
コミットメント制度に対応するためには、見積書や請負代金内訳書で労務費を明示するだけでなく、契約後の支払い状況を説明できる状態にしておくことが重要である。

具体的には、賃金を支払った旨の誓約書、下請契約書の該当部分、労務費の支払いに関する記録などを整理しておくことが考えられる。

また、コミットメント制度は、違反した場合に直ちに契約解除や損害賠償が発生する制度ではない。ただし、契約上の債務不履行に該当し得るため、契約に盛り込んだ場合には誠実に履行する必要がある。

詳しい解説はこちらから↓
労務費に関する基準とは?建設業法改正で労務コストはなぜ上がるのか|上昇率シミュレーション付き

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2016.7.19
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