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労務費に関する基準とは?建設業法改正で労務コストはなぜ上がるのか|上昇率シミュレーション付き

最終更新日:2026年5月25日

【建設業法改正で、労務費の見積・契約ルールが変わる】
「建築費が超高騰時代へ突入すると見込まれる具体的な理由とは」「高騰が止まらない設備工事費の現状と今後の動向」で紹介したように、国内の建設市場では、資材価格、労務単価、設備工事費など複数のコスト上昇要因が重なり、2026年に入っても建築コストの上昇が続いています。

その中でも、2025年12月12日施行の改正建設業法に伴って導入された「労務費に関する基準」は、今後の見積・契約実務と労務コストに大きな影響を与える制度です。

労務費に関する基準とは?建設業法改正で労務コストはなぜ上がるのか
この「労務費に関する基準」により、これまで公共工事設計労務単価を下回る労務単価で見積・契約していた工種や地域では、公共工事設計労務単価水準への是正圧力が強まると思われます。

また、この制度は単なる「値上げルール」ではありません。技能者の賃金原資である労務費を、発注者から元請、下請、技能者まで適正に行き渡らせるための「取引ルール」です。したがって、これからの価格交渉では、労務単価を下げるのではなく、歩掛、施工条件、工程、生産性を根拠に労務費の価格を協議することが重要になります。

そこで、今回は「労務費に関する基準」の仕組み、建設業法改正で変わる点、労務コストが上がる理由、上昇率のシミュレーション、発注者・元請・専門工事会社が準備すべき実務対応などの観点より解説していきます。

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目次



1. 改正前後で変わる労務単価の取扱い


まず、労務費に関する基準によって何が変わるのかを整理します。最も大きな変化は、従来、需給バランスの中で価格競争にさらされていた労務単価が、今後は価格競争の対象ではなくなり、公共工事・民間工事を問わず、公共工事設計労務単価水準で設定されることです。

また、施行前は、総価一式の見積の中で労務費が見えにくく、材料費や経費等の上昇分を労務費の圧縮で吸収する構造が起きやすい状態でした。施行後は、材料費・労務費等を記載した見積書の作成が求められると共に、著しく低い労務費による見積り・変更依頼・契約が行われた場合、行政上の指導対象になります。

表1|改正建設業法(2025年12月施行)に伴う労務単価の取扱いについて
項目施行前
(2025/12/12日より前)
施行後
(2025/12/12日以降)
建設業法上の規律労務費の基準なし「労務費に関する基準」を導入
採用する労務単価実勢単価・市況単価・過去単価公共工事設計労務単価を計算基礎に
労務費の算定方法総価の中で不明確労務単価×歩掛×数量で積み上げ
価格競争の考え方労務単価の引下げで調整著しく低い労務費は問題に
見積書の内訳総価一式が中心材料費・労務費等を明示
労務費以外の経費総価に埋もれやすい法定福利費等は別途確保
違反時の対応確認は限定的指導・勧告・公表等の対象に
契約後の確認賃金への行き渡り確認は限定的CCUS・建設Gメン等で確認
価格資料の見方市場単価・実勢単価が中心一部工種で単位施工単価へ移行

上表1のポイントは3つです。1つ目は、労務費の適正水準が見積・契約段階で見える化されることです。2つ目は、労務単価を下げて総額を合わせる競争できなくなることです。3つ目は、労務費だけでなく、法定福利費、安全衛生経費、建退共掛金などの必要経費も別建てで確保する必要があることです。

つまり、建設業法改正後の価格交渉では、「いくらまで下げられるか」ではなく、「公共工事設計労務単価、歩掛、数量、施工条件を踏まえて、その労務費が適正か」を確認する実務へ変わります。

なお、上表1の「公共工事設計労務単価水準」は上限ではなく、標準条件の基準線です。高い技術力を持った技能者が必要な工事、需給が逼迫している工事、夜間・短工期・特殊条件の工事等では、公共工事設計労務単価を上回る労務単価が設定されることもあり得ます。

2. 労務費に関する基準とは?


労務費に関する基準とは、建設工事を施工するために通常必要と認められる労務費を示す基準です。ここでいう労務費は、技能者に支払う賃金そのものではなく、請負契約の中で確保すべき「技能者賃金の原資」を意味します。

国交省によると、制度の目的を、公共工事・民間工事を問わず、発注者から技能者を雇用する建設業者までの全ての取引段階において、適正な労務費を確保し、技能者に適正な賃金が支払われることと整理しています。

従来の建設工事では、総価一式契約の中で労務費が見えにくく、重層下請構造の下で上流から下流へ行くほど賃金原資が痩せやすい問題がありました。労務費に関する基準は、この構造を変え、見積・契約段階から請負の各段階で労務費を確保するための制度なのです。


請負構造の中で、賃金原資をどう確保するか


上図のとおり、制度の狙いは、労務費を「総額の一部」ではなく「技能者賃金の原資」として捉え直すことです。発注者・元請・1次下請・2次下請等、各段階で適正な労務費を確保し、最終的に技能者の賃金として届く流れを作ることが制度の核心です。

3. 適正な労務費の計算式


労務費に関する基準の計算式は、次のとおりです。

適正な労務費 = 公共工事設計労務単価 × 適正な歩掛 × 数量

国交省では、通常必要と認められる労務費を、公共工事設計労務単価に労働時間を乗じる、または公共工事設計労務単価に歩掛と数量を乗じる形で整理しています。


適正な労務費 = 公共工事設計労務単価 × 適正な歩掛 × 数量


この計算式で重要なのは、公共工事設計労務単価、歩掛、数量の3要素です。公共工事設計労務単価は、工事場所の都道府県・職種別に設定される予定価格積算用の労務単価です。歩掛は、1㎡、1t、1箇所などの単位施工量を施工するために必要な人工を表します。数量は、対象工事で実際に施工する量です。

また、公共工事設計労務単価には、法定福利費の事業主負担分、安全衛生経費、建退共掛金、労働者の雇用に伴う会社負担の諸経費、時間外・休日・深夜手当は含まれません。したがって、労務費を確保したうえで、これらの必要経費を別建てで計上する必要があります。

4. なぜ労務費に関する基準が導入されたのか


背景にあるのは、建設業の担い手不足と賃金水準の問題です。建設業は社会資本整備や災害復旧の担い手ですが、技能者数の減少や高齢化が進む中、若い世代に選ばれる産業へ転換することが急務になっています。

国交省の資料によると、建設業就業者数は1997年の685万人から2024年には477万人へ減少し、全産業に占める建設業就業者のシェアも10%から7%へ低下しています。また、2024年の賃金は全産業527万円に対し、建設業は443万円とされ、賃金水準の改善が重要な課題とされています。

そこで、第三次・担い手3法による建設業法改正では、建設業者による処遇確保の努力義務、材料費等記載見積書の作成努力義務、中央建設業審議会による労務費に関する基準の作成・勧告、著しく低い労務費による見積り・契約の禁止などが導入されました。

5. 建設業法改正で何が変わるのか


建設業法改正で変わる点は、大きく分けて以下①から⑤のとおりです。

① 材料費・労務費等を内訳明示した見積書の作成が求められる
② 著しく低い労務費による見積り、見積り変更依頼(値引き要求)、契約が問題となる
③ 受注者側にも、正当な理由のない原価割れ契約や著しく短い工期への規律がかかる
④ 建設Gメンが、当初見積書と最終見積書の差額、労務単価や歩掛の乖離要因を確認する
⑤ コミットメント制度により、確保した労務費が技能者へ届くかまで確認される

制度は「入口」と「出口」の両方で機能します。入口では、見積・契約段階で労務費と必要経費を内訳明示し、適正な労務費を確保します。出口では、CCUSレベル別年収、コミットメント制度、通報制度、悪質事業者の見える化などにより、確保した労務費がやCCUSレベル別年収に基づき、技能者の賃金として支払われるかを確認します。


制度は「見積で確保した労務費が、最終的に技能者へ届くか」を一連で見る


上図が示すように、制度は見積、契約、変更対応、支払、確認までを一連で見ます。建設Gメンは、単なる価格差ではなく、生産性向上による歩掛改善なのか、労務単価引下げによるダンピングなのかを確認する役割を担います。

6. 労務費に関する基準で労務コストはなぜ上がるのか


労務費に関する基準によって労務コストが上がる理由は、単に「国が単価を上げたから」ではありません。以下①から⑥に示すように制度の構造そのものが、労務費を底上げする方向に働くためです。

① 公共工事設計労務単価が基準線になる
これまで民間工事や下請契約では、実勢単価、地域相場、過去単価、競争見積の結果によって労務単価および労務費が決まることが多くありました。しかし、労務費に関する基準では、公共工事設計労務単価を計算の基礎とした水準が適正な労務費の出発点になります。

そのため、現在の労務単価が公共工事設計労務単価の70%、80%、90%程度だった領域では、今後公共工事設計労務単価水準へ近づく圧力が働きます。この差分が、短期的な労務コスト上昇の主要因です。


今後の労務単価への影響



② 高技能者・需給逼迫・夜間作業では100%超もあり得る
公共工事設計労務単価100%は「上限」ではなく「標準条件の基準線」です。CCUSレベルの高い技能者、職長、登録基幹技能者が必要な工事や、技能者確保が難しい繁忙期、夜間・短工期・特殊条件の工事では、公共工事設計労務単価を上回る労務単価設定も価格交渉上の論点になります。

③ 公共工事設計労務単価自体が上昇している
令和8年3月適用の公共工事設計労務単価は、全国全職種単純平均で前年度比4.5%引き上げられ、全国全職種加重平均値は25,834円となりました。労務費に関する基準が定着すれば、実勢賃金の上昇が次回以降の公共工事設計労務単価へ反映される循環も起こりやすくなります。

④ 法定福利費・安全衛生経費・建退共掛金が別建てで確保される
公共工事設計労務単価は、技能者の賃金相当分を示すものであり、法定福利費の事業主負担分、安全衛生経費、建退共掛金、雇用に伴う必要経費などは含まれません。これらを別建てで積み上げると、請負金額全体も上昇します。

⑤ 労務費を値引き原資にしにくくなる
従来の総価請負契約では、材料費や経費の上昇、発注者からの値引き要求に対して、労務費を圧縮して総額を合わせることが起きやすい構造でした。改正後は、労務費が技能者の賃金原資として明示されるため、労務費だけを削って見積総額を合わせる説明が難しくなります。

⑥ 価格競争の軸が単価から歩掛・生産性へ移る
今後も価格競争がなくなるわけではありません。ただし、競争の軸は、労務単価を下げることではなく、歩掛、施工方法、段取り、工程管理、生産性をどう改善するかに移ります。


「労務単価」ではなく「歩掛・条件差」で説明すること


上図のとおり、同じ現場条件なら、値下げの根拠は労務単価ではなく歩掛・条件差で説明するのが基本です。「労務単価を下げます」ではなく、「この施工条件なら当社の歩掛はこの水準です」といった説明が求められます。

7. 労務費はどの程度上がるのか|上昇率シミュレーション


ここからは、労務費に関する基準によって全体の労務コストや工事総額がどの程度上がるのかをシミュレーションします。前提として、令和8年3月適用の公共工事設計労務単価の全国全職種加重平均値25,834円を100%の基準線として使います。


労務単価上昇のイメージ


① 現在の労務単価の水準別のシミュレーション


現在の労務単価が公共工事設計労務単価に対して何%なのかによって、是正インパクトは大きく変わります。

表2|現状の労務単価水準別の是正インパクトの例
現状の労務単価水準現状単価の例100%到達時必要な引上げ率
70%18,084円/人日25,834円/人日42.90%
80%20,667円/人日25,834円/人日25.00%
90%23,251円/人日25,834円/人日11.10%
100%25,834円/人日25,834円/人日0%

例えば、上表2に示すように、現状の労務単価が公共工事設計労務単価の80%であれば、100%に是正するだけで労務単価は25.0%上がります。70%水準であれば、100%到達に42.9%の引上げが必要となります。


現在の労務単価の水準別シミュレーション



② 工事総額に対する影響のシミュレーション


労務費の上昇が工事総額に与える影響は、次の式で概算できます。

工事総額への影響率 = 労務費比率 × 労務費の上昇率

例えば、下表3に示すように、現状80%から100%へ是正する場合、労務費の上昇率は25.0%です。労務費比率が40%の工種では、工事総額への影響は約10%になります。

表3|労務費25.0%上昇の際の労務費比率別でみた工事総額への影響の例
工事価格に占める労務費比率労務単価+25%の場合の工事総額上昇率
20%+5.0%
30%+7.5%
40%+10.0%
50%+12.5%

労務単価を現状70%から100%へ是正する場合、労務費の上昇率は42.9%です。この場合、下表4から読み取れるように労務費比率が40%なら、工事総額への影響は約17.1%になります。

表4|労務費42.9%上昇の際の労務費比率別でみた工事総額への影響の例
工事価格に占める労務費比率労務単価+42.9%の場合の工事総額上昇率
20%+8.6%
30%+12.9%
40%+17.1%
50%+21.4%

労務集約度が高い工種ほど、労務費に関する基準の影響は大きくなります。型枠、鉄筋、圧接、左官、内装、設備工事の一部など、現場人工の比率が高い工種では、早い段階で概算予算を見直す必要があります。

8. 基準値と単位施工単価の違い


国交省では、価格交渉を円滑に進めるため、職種分野別に「基準値」を公表しています。基準値とは、標準的な作業内容・施工条件を前提に、単位施工量当たりの労務費を示すものです。具体的に、・職種分野別の労務費の基準値(案)(国交省)では、13職種分野99工種で基準値を設定済みとされ、例として、建築の鉄筋工事では71,472円/t、型枠工事では5,291円/㎡が示されています。

ただし、基準値は個別工事にそのまま適用する「答え」ではありません。施工場所、規模、階高、形状、搬入条件、揚重条件、作業時間、技能者確保の難易度などに応じて補正する必要があります。

また、国交省が示す「基準値」と、公的な価格資料に出てくる「単位施工単価」は同じものではありません。基準値は労務費の具体値であり、単位施工単価は、材料費・労務費・経費等を積み上げた価格資料上の単価です。一部工種では、市場単価から単位施工単価への置き換えにより、価格上昇が大きく見える場合があります。

しかしながら、市場単価と単位施工単価は算定根拠が異なるため、単純に「市況がその分だけ上がった」と読むのは危険です。労務費の見える化、公共工事設計労務単価の改定、経費率の見直し、積上げ方式への変更が複合して表れたものとして理解する必要があります。

9. 発注者・元請・専門工事会社が準備すべきこと


① 発注者・建築主:労務費を削る交渉から、条件を整える交渉へ
発注者や建築主にとって、労務費に関する基準は建設コストの上昇要因になります。特に、これまで民間工事で低い労務単価を前提に予算を組んでいた場合、概算予算と実際の見積に差が出る可能性があります。

一方で、労務費を削ることは、担い手不足、品質低下、工期遅延、施工会社不足につながるリスクがあります。発注者に求められるのは、労務費を削る交渉ではなく、元請・ゼネコンとともに設計合理化、仕様見直し、工程平準化、発注ロットの最適化、施工性改善によって総コストを最適化することです。

② 元請・ゼネコン:見積査定の軸を、単価から歩掛・条件へ
元請・ゼネコンにとっては、協力会社の見積査定の考え方が変わります。労務単価が低いから安い、という評価はリスクを伴います。むしろ、公共工事設計労務単価を著しく下回っていないか、労務費を値引き原資にしていないか、歩掛や数量が施工条件に合っているかなどを確認する必要があります。

また、これまで以上に歩掛を高めるために、例えば、プロジェクトの上流から省力化工法を採用したり、技能者が働きやすい作業所環境を整備したりするなどして、生産性向上を目指すことがますます重要になります。

③ 専門工事会社・協力会社:労務費の根拠を説明できる見積へ
専門工事会社にとって、労務費に関する基準は賃上げ原資を確保しやすくする制度です。一方で、見積書の作成レベルは上がります。材料費、労務費、法定福利費、安全衛生経費、諸経費を分け、労務費については労務単価、延べ技能者数、歩掛の根拠を説明できる必要があります。

また、今後は、当初見積書、最終見積書、打合せ記録、数量変更、仕様変更、施工条件変更の記録を保存し、なぜその労務費になったのかを説明できる状態にしておくことが重要です。

さらに、コミットメント制度により、自社が技能者へ適正な賃金を支払うだけでなく、再下請へ適正な労務費を支払い、再下請先でも適正な賃金支払いが行われることを契約上確認する流れも強まります。

10. FAQ|労務費に関する基準でよくある質問


Q1. 労務費に関する基準は民間工事にも適用されますか?
はい。公共工事・民間工事を問わず、発注者から技能者を雇用する建設業者までの全ての取引段階において、適正な労務費を確保することが制度の目的です。

Q2. 公共工事設計労務単価を下回る見積はすべて違法ですか?
個別の契約では、施工条件、作業内容、歩掛、数量、見積範囲などを踏まえて判断されます。ただし、標準条件で公共工事設計労務単価を著しく下回る労務費による見積り・契約は、大きなリスクになります。

Q3. 公共工事設計労務単価を100%にすれば十分ですか?
公共工事設計労務単価の100%は上限ではなく、標準条件の基準線です。よって、高技能者、需給逼迫、夜間作業、特殊条件などがある場合には、100%超の設定もあり得ます。

Q4. 労務費と法定福利費は同じですか?
違います。労務費は技能者の賃金原資です。法定福利費の事業主負担分は、公共工事設計労務単価に含まれないため、労務費とは別に計上する必要があります。

Q5. 労務費に関する基準で工事費はどの程度上がりますか?
現状の労務単価が公共工事設計労務単価の80%だった場合、100%へ是正するだけで労務単価は25%上がります。労務費比率が40%の工種なら、工事総額では約10%の上昇要因になります。

Q6. これからの価格交渉では何が重要になりますか?
労務単価を下げる交渉ではなく、歩掛、施工条件、工程、数量、仕様、施工方法を根拠に価格を説明することが重要です。建設Gメンも、生産性向上による価格低下なのか、労務単価引下げによるダンピングなのかを確認することが想定されています。

11. まとめ|労務費に関する基準は建設コスト上昇要因であり、産業維持の前提でもある


労務費に関する基準は、建設業の価格決定ルールを大きく変える制度です。これまで不透明だった労務費を見える化し、公共工事設計労務単価、歩掛、数量を基礎に適正な労務費を積み上げる仕組みに変わります。

この制度により、建設工事の労務コストは上がりやすくなります。特に、これまで公共工事設計労務単価を下回る水準で労務単価を設定していた工種では、10%、20%、場合によっては数十%規模で労務費の価格是正が起こり得ます。

ただし、これは単なるコストアップではありません。技能者の処遇を改善し、若い世代が建設業に入職し、将来の施工能力を維持するための投資です。

今後の建設プロジェクトでは、労務費を削るのではなく、適正な労務費を前提に、設計、発注、施工計画、生産性向上によって総コストを最適化することが求められます。

以上のように、今回は、「労務費に関する基準」の仕組み、建設業法改正で変わる点、労務コストが上がる理由、上昇率のシミュレーション、発注者・元請・専門工事会社が準備すべき実務対応などの観点から解説しました。

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12. 出典・参考資料


本記事は、以下の資料をもとに作成しています。
・「労務費に関する基準」制度の概要(国交省)
・労務費に関する基準(本文の概要)(国交省)
・労務費に関する基準(本文)(国交省)
・労務費に関する基準ポータルサイト(国交省)
・職種分野別の労務費の基準値(案)(国交省)
・令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について(国交省)

※数値利用上の注意
本記事内のシミュレーションは、令和8年3月適用の公共工事設計労務単価の全国全職種加重平均値25,834円を例にした概算です。実務での見積・査定では、都道府県別・職種別の公共工事設計労務単価、対象工種の歩掛、施工条件、工期、夜間・休日作業、現場制約、技能者の能力水準、法定福利費や安全衛生経費等を個別に確認する必要があります。

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