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環境に配慮した建設(1)〜建設がもたらした環境破壊〜

高度経済成長の時代は、大規模な建設といえば、環境破壊の代名詞のような存在でした。木々を切り倒し、川に蓋をし、土をアスファルトで覆い尽くして、地上をコンクリートジャングルに変貌させていく。当時はそれこそが豊かさの証明であり、社会に求められていることであったため、建設業界もその要望に全力で応えてきたのです。しかし、時代が変わり、社会が自然環境の保全を求めるようになると、旧来のやり方では社会の要望に応えられなくなります。

環境に配慮した建設(1)〜建設がもたらした環境破壊〜

現在は建設業界も全力で環境への配慮を考えるようになり、新しい技術が次々に生み出されています。今回は、環境に配慮した新しい建設技術について調べていきます。第1回は、建設がもたらす環境破壊についてです。

建設がもたらした森林破壊


建設がもたらす環境破壊は、人類が建設という行為を行い始めたときから始まったといっても過言ではありません。特に初期の段階から問題となったのが、建設に木材を利用したことによる森林破壊でした。無尽蔵に存在するように見える森林ですが、文明が高度化するに従って爆発的に増えた人口の住居をまかなうためには、想像を超えるほどの大量の木材が必要になります。

日本では古くから木造建築が主流のため、特に木材の消費が激しいように思えます。一方で西洋で多く見られるレンガ造りの建築では木材を消費していないように見えます。しかし、事実はむしろ逆でした。

レンガは粘土を固めて窯で高温で焼くことで作られますが、その際に燃料として大量の薪が消費されます。木材を板に加工して壁を作るのと、レンガで壁を作るのとでは、レンガを焼成するのに必要な薪のほうがはるかに多く木材を消費するのです。レンガの焼成は紀元前から行われており、その頃から深刻な森林破壊が始まっていたと推測されています。

人の生活を守るために行われた環境破壊


海岸や川の護岸工事は、付近で生活する人々の安全を守るために必要不可欠なものですが、自然の土などをコンクリートを固めてしまう工事は、深刻な環境破壊をもたらしました。また、景観に与える影響も大きく、人々の自然に対する興味を失わせることにもつながりました。

川に作られたダムは、水資源を確保したり、水力発電を行うために必要なものですが、鮭やアユなどの遡上を妨げるほか、土砂をせき止めるため、下流に砂が運ばれず、最終的には海岸の砂浜を減少させるなど、広い範囲に影響を及ぼします。

アスファルトで舗装した道路は、自動車社会には必要不可欠ですが、土や緑が失われた地表は熱を反射し、ヒートアイランド現象などを引き起こします。その暑さに対応するためにエアコンが多用され、大量に消費される電気をまかなうために火力発電所で化石燃料が消費され、多量の二酸化炭素が放出されて地球温暖化が発生するという悪循環が起きます。

人間の生活を安全にしたり快適にするための建設が、環境破壊をもたらすのです。

建設残土や建設副産物の廃棄が環境を圧迫する


建設現場では基礎工事を行うために土を掘り起こしたり、山を造成するなどで多量の残土が発生します。高度経済成長期などは、掘り起こした土はほとんどが廃棄され、基礎工事を行ったあとに埋め戻すための土は、別途採取された建設用の山砂などが用いられていました。これにより、多量の廃棄物が環境を破壊し、山砂などの採取でも山が削られて環境が破壊されるという二重の環境破壊が行われていたのです。

建築物の建て替えや、道路などの張り替えでは、多量のコンクリート塊やアスファルト塊、木材などが廃棄されます。これらは建設副産物と呼ばれ、現代では可能な限り再利用する方針がとられていますが、実際には大半の建設副産物が廃棄物として処理されているのが現状です。

こうした廃棄物は、廃棄物処理場に埋め立てられますが、正しく処理されたとしても、処理場の存在そのものが環境に悪影響を与えます。また、廃棄には費用がかかるため、経営の苦しい建設業者などが不法投棄する事例が後を絶たず、深刻な環境破壊をもたらしています。

このように建設という行為は多くの環境破壊をもたらしてきました。これは決して建設業者だけの問題ではなく、社会がそれを要求したのです。

「環境に配慮した建設」はこちら↓
(1)建設がもたらした環境破壊
(2)見直される木材建築
(3)新時代の土木工事
(4)清浄な土壌を取り戻す取り組み
(5)超耐久建築は実現するか
(6)都会のオアシス 屋上緑化

「関連記事①-エネルギーマネジメントシステムのHEMS、BEMSとは」はこちら↓
(1)一家に一台の時代がやってくる
(2)HEMSによる家庭の省エネ
(3)企業向けのBEMSとFEMS
(4)目標はスマートシティの実現

「関連記事②-自然エネルギー活用建築とは」はこちら↓
(1)パッシブデザインの考え方
(2)環境配慮型の新技術

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