年収ランキング2018年版|建設業は何位にランクイン?
【建設業の賃金①】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、1回目の今回は建設業に係る職業の賃金水準について年収をベースに、他産業における職業別年収との比較を通して紹介していきたいと思います。
1位-40位までのランキング、建設業では一級建築士が642.6万円で14位にランクイン!
①ランキング5位までの職業が年収1000万円を超える水準に!
まず、全国の職業別年収でみてみると、最も高い水準となったのは医師の1232.7万円でした。次いで、航空機操縦士(パイロット)の1192.1万円、大学教授で1051.3万円、さらには、公認会計士、税理士の1042.5万円、弁護士が1029.0万円と続いています。今回のランキングで対象となっている129種職において、これらの職業のみが1000万円を超える水準となりました。(下図参照)
②建設業では6職種がランクイン、一級建築士の14位が最も高い水準に!
続いて、建設業に係る職業を見てみると、40位までのランキングまでに6職種がランクインしました。具体的には、一級建築士が642.6万円で14位と最も高い水準に、次いで技術士が572.4万円で16位、掘削・発破工が571.2万円で17位、電気工が496.7万円で33位、クレーン運転工が491.0万円で35位、測量技術者が476.2万円で38位にランクインしております。
41位-80位までのランキング、建設業に係る職業では10職種がランクイン!
41位から80位までのランキングを見てみると、建設業からは10職種がランクインしております。これには、配管工が451.2万円で49位、次いで金属・建築塗装工が442.8万円で52位、溶接工が425.0万円で58位、鉄工が422.8万円で60位、とび工が421.5万円で61位、板金工が419.1万円で63位、建設機械運転工が417.2万円で64位、玉掛け作業員が408.1万円で70位、鉄筋工が398.5万円で78位、土工が396.2万円で80位となっています。(下図参照)
81位-129位までのランキング、建設業に係る職業では5職種がランクイン!
81位から129位までのランキングでは、建設業からは5つ職業がランクインしております。はつり工が390.7万円で83位、次いで左官が383.0万円で85位、型枠大工が377.2万円で88位、大工が355.1万円で94位、建具製造工が341.5万円で100位となっています。(下図参照)
建設業における年収はこの5年間でどう変わったのか?
ここで、前述した建設業に係る職業について、年収の水準が5年前の2012年からどのように変化したのか見てみると、21職種のうち18職種で年収が増加し、そのうち10職種で10%以上の増加となっていました。(下図参照)
具体的には、土工の年収が29.6%と最も大きく増加し、金額ベースでは2012年の305.7万円から2017年の396.2万円へ約90.5万円の増額となっている。そして、とび工、鉄筋工、左官が続いて、それぞれ14.3%、13.8%、13.3%の増加となっています。
一方、大工、金属・建築塗装工、はつり工の3職種では年収が5年前の2012年から減少していました。特に大工では減少率が7.6%と大きく、金額ベースでは2012年の384.5万円から2017年の355.1万円へと約29.4万円の減少となっています。
以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズの1回目として、建設業に係る職業の賃金水準について年収をベースに、他産業における職業別年収との比較を通して紹介する共に、これら建設業に係る職業の年収が5年間でどの様に変化したのかについて解説しました。
次回からのコラムでは、建設業における賃金について代表的な職業を取り上げ、更に年齢別や都道府県別で詳しく紹介していきます。
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【職業の解説】
一級建築士|一級建築士の資格を有し、住宅その他の建築物の建設、改修、維持に関する計画、設計、技術指導、施工管理、検 査などの技術的な業務に従事する者をいう。
技術士|機械技術士、電気技術士、資源工学技術士、建設技術士、経営工学技術士などの職種を含み、科学技術に関する高度の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価、又は、これらに関する指導の業務を行う者をいう。
掘削・発破工|削岩工、掘進員、手掘員などの職種を含み、坑内又は坑外において、削岩機を用いる仕事又はダイナマイト等火薬による発破作業によって、岩石を破砕し、掘進する仕事に従事する者をいう。
電気工|電工、電路工、ケーブル接続工、内線工、 外線工、高圧線工、配線工などの職種を含み、屋根の配線又は電気炉、電気照明設備その他の電気通 信機械器具の配線、保全の仕事に従事する者をいう。
クレーン運転工|クレーン運転士、移動式クレーン運転士、 デリック運転士、揚貨装置運転士などの職種を含み、クレーン、移動式クレーン、デリック、揚貨装置の運転及び保守の仕事に従事する者をいう。
測量技術者|測量士、測量士補、森林測量技術者、道路測量士、鉱山測量技術者、水路測量技術者などの職種を含み、土地・水路・森林・鉱山・港湾・航空写真等の測量に関する計画、機械の調節、作業の実施、指導など、及び、測量に関する成果・資料のとりまとめなどの技術的な仕事に従事する者をいう。
配管工|給排水衛生士、冷暖房工などの職種を含み、建物における給排水、冷暖房、給汽給湯、換気などの設 備工事に関する配管及び金属・非金属管の加工、装着な どの仕事に従事する者をいう。
金属・建築塗装工|船体塗装工、金属製がん具塗り工、自動車塗装工、金属製品吹付塗装工、鉄道車両塗装工、建築塗装工などの職種を含み、金属面の素地こしらえ(脱脂、さび溶し、化成皮膜処理 等)、パテ付け、とぎ等を行い、調合した塗料を噴霧塗装機 又ははけを用いて塗装し、みがき等による塗装面の仕上げに従事する者又は建築物の塗装の仕事に従事する者をいう。
溶接工|電気溶接工、ガス溶接工、スポット溶接 工、バット溶接工、酸素溶接工、アセチレンガス切断工などの職種を含み、アセチレンガス発生器、アーク溶接機等を用いて金属を溶接、溶断する仕事に従事する者をいう。
鉄工|製かん工、製かん鉄工、金属タンク製造工、ボイラー組立工、構造物鉄工、車両鉄工、鉄骨工などの職種を含み、金属板、鋼板、形鋼等の切断、曲げ、穴あけ、打出し、つば出し、リベット締め等の仕事に従事するとともに、現図、 け書きの補助、ひずみ取り、組み立て等の仕事及び鉄塔、 鉄柱、鉄橋、高層建築などの建設における鉄骨の建方相 番、びょう打ち当盤及びびょう焼、鉄びょうなどの仕事に従 事する者をいう。
とび工|杭打ち工、構造物解体工、家屋曳方工などの職種を含み、高所における下記の仕事及びそれに類似する作業に従事する者をいう。
1) 鉄筋コンクリート建築及び橋梁建設などにおける足場の組立て、解体及び杭打ちの仕事
2) 木造建築における足場、柱の組立て、棟上げの作業又は建造物の移動、解体の仕事
3) 架設エレベーター、杭打機、巻き上げ等建設用機械の組立て、据え付けの仕事(時にはウインチ等簡単な機械 の操作を行うこともある。)
板金工|薄板工、車体板金工、建築板金工などの職種を含み、主として手作業により、鋼板、特殊鋼板、非鉄金属板等 の薄金属板を切断、曲げ、打出し、びょう打ち、ろう付け、溶接等により、曲面のある一般容器、ダクト類、被覆物等の板金物に加工する仕事及び金属薄板による屋根ふきの仕事に従事するとともに、板金加工用工作機械の操作、調整、 板金製品のひずみ取り、板金加工用ゲージ及び金型の製作等も行う者をいう。
建設機械運転工|重機械運転工、機械運転工、特殊機械 運転工、捲堀工などの職種を含み、重機械(パワーショベル、ドラグショベル、ジャンボー、ブルドーザー等)、一般機械(フォークリフト、エレベーター、ウインチ等)の建設機械を運転して、掘削、積込み、運搬などをする仕事に従事する者をいう。
玉掛け作業員|玉掛工、スリング掛工などの職種を含み、荷の積みおろし、移動のため、クレーン、移動式クレーン、 デリック、揚貨装置のフックに各種荷物を引掛け、クレーン等の運転者に積みおろしの合図を送る仕事に従事する者 をいう。
鉄筋工|鉄筋切断工、鉄筋組立工、鉄筋成型工などの職種を含み、鉄筋の下ごしらえ、組立て(螺線などの組立て、結束)及び加工(鋸、ガスなどによる鉄筋の切断、屈曲、成型)などの仕事に従事する者をいう。
土工|掘削土工、根切り土工、埋設土工、コンクリート工、ミキサー工などの職種を含み、建設現場又は土木工事現場において、ある程度の技能を要し土砂の掘削、根切り、運搬の作業及び手又は機械によるコンクリート打ちの作業等高度の肉体労働に従事する者をいう。
はつり工|こわし工などの職種を含み、コンクリート、れんが等構築物の表面のはつり取り、床、壁の穴あけ及びコンクリート壊しの仕事に従事する者をいう。
左官|真壁塗工、モルタル工、プラスター塗工、漆喰塗工、人造石塗工、調剤練工、モルタル防水工などの職種を含み、土、モルタル、プラスター、漆喰、人造石などの壁材料を用いて、壁塗りなどをする仕事に従事する者をいう。
型枠大工|型枠工、金属枠取付工などの職種を含み、木製又は金属製の型枠を用い、コンクリート型枠の組立 て、取付け及び除去をする仕事に従事する者をいう。
大工|建築大工、堂宮大工、数寄屋大工、造作大工などの職種を含み、家屋、橋梁などの築造、屋内における造作などをする仕事に従事する者をいう。
建具製造工|建具職、戸・障子製造職、ガラス戸製造職、雨戸製造職、建具木工、木取工、建具組立工、建具吊込工、ほぞ付穴あけ工、建具切込工などの職種を含み、乾燥している木材を所定寸法に木取りをし、かんな、のみ等の手工具及びかんな盤、昇降盤等の木工機械を使用して加工し、くぎ及び接着剤を用いて組み立て、仕上げをし、木製の戸、障子、ふすま等の建具を製作する仕事に従事する者をいう。
出典|賃金構造基本統計調査の現行の職種解説(厚労省)

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