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年収ランキング 2020年版|建設業は何位にランクイン?

【年収で把握する建設業の賃金|2020年版】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、今回は建設業に係る職業の賃金水準について、年収をベースに他産業における職業別年収との比較を通して紹介していきたいと思います。

年収ランキング|建設業は何位にランクイン?

1位-40位までのランキング、建設業からは一級建築士が702.9万円で10位にランクイン!


①ランキング3位までの職業が年収1000万円を超える水準に!
まず、全国の職業別年収でみてみると、最も高い水準となったのは航空機操縦士(パイロット)の1694.6万円でした。次いで、医師の1169.2万円、大学教授の1100.6万円と続き、今回のランキングで対象となっている129職種において、これら3職種が1000万円を超える水準となりました。(下図参照)


職業別年収(万円)|1位〜40位の職業	全国・男女計


②建設業からは5職種がランクイン、一級建築士の10位が最も高い水準に!
続いて、建設業に係る職業を見てみると、40位までのランキングまでに5職種がランクインしました。具体的には、一級建築士が702.9万円で10位と最も高い水準に、次いで技術士が666.9万円で13位、掘削・発破工が617.0万円で15位、クレーン運転工が510.2万円で25位、電気工が472.5万円で40位にランクインしております。

41位-80位までには測量技術者、配管工、鉄筋工など10職種がランクイン!


41位から80位までのランキングを見てみると、建設業からは10職種がランクインしております。具体的に、測量技術者が468.8万円で41位、次いで配管工が466.5万円で42位、鉄筋工が445.2万円で50位、鉄工が444.0万円で51位、玉掛け作業員が437.8万円で55位、溶接工が437.1万円で56位、金属・建築塗装工が429.6万円で61位、板金工が442.3万円で65位、建設機械運転工が420.9万円で66位、大工が414.9万円で71位となっています。(下図参照)


職業別年収(万円)|41位〜80位の職業	全国・男女計


81位-129位までにはとび工、土工、型枠大工、左官など6職種がランクイン!


81位から129位までのランキングでは、建設業からは6つの職業がランクインしております。とび工が393.0万円で82位、土工が393.0万円で83位、型枠大工が388.4万円で85位、左官が386.6万円で86位、次いで、はつり工が361.2万円で96位、建具製造工が360.6万円で97位となっています。(下図参照)


職業別年収(万円)|81位〜129位の職業	全国・男女計


建設業における年収水準はこの5年間でどう変わったのか?


ここで、前述した建設業に係る職業について、年収の水準が5年前の2014年から2019年にかけて、どのように変化したのか見てみると、21職種全てで年収が増加し、そのうち7職種で10%以上の増加となっていました。(下図参照)


職業別年収の変動率(%)|2014年-2019年までの変化 全国・男女計


具体的には、掘削・発破工の年収が33.9%と最も大きく増加し、金額ベースでは2014年の480.6万円から2019年の617.0万円へ約156.3万円の増加となっています。そして、鉄筋工、技術士、土工、左官、配管工、一級建築士が続いて、それぞれ24.2%、23.2%、12.2%、11.8%、10.8%、10.3%の増加となっています。

一方、とび工、溶接工、型枠大工の年収は2014年の水準と比較して、それぞれ1.6%、1.7%、2.0%の増加と概ね横ばいながらも若干増加の水準になっています。

以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズとして、建設業に係る職業の賃金水準について年収をベースに、他産業における職業別年収との比較を通して紹介すると共に、これらの年収水準がこの5年間でどの様に変化したのかについて解説しました。

関連コラムでは、建設業における賃金について代表的な職種を取り上げ、更に年齢別や都道府県別で詳しく紹介していきます。

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参考|主要データ一覧


職業別の年収ランキング(全国・男女計)
職業年収
航空機操縦士1694.6万円
医師1169.2万円
大学教授1100.6万円
大学准教授872.4万円
記者792.2万円
不動産鑑定士754.6万円
弁護士728.6万円
大学講師718.9万円
高等学校教員709.4万円
一級建築士702.9万円
公認会計士、税理士683.6万円
自然科学系研究者681.3万円
技術士666.9万円
電車運転士618.8万円
掘削・発破工617.0万円
電車車掌572.1万円
獣医師571.6万円
歯科医師570.1万円
システム・エンジニア568.9万円
薬剤師561.7万円
港湾荷役作業員532.7万円
発電・変電工518.5万円
圧延伸張工518.3万円
自動車外交販売員514.3万円
クレーン運転工510.2万円
自動車組立工506.7万円
旅客掛505.1万円
各種学校・専修学校教員503.9万円
診療放射線・診療エックス線技師502.0万円
航空機客室乗務員495.9万円
化学分析員494.9万円
製鋼工491.4万円
非鉄金属精錬工490.2万円
機械修理工489.2万円
社会保険労務士486.0万円
看護師482.9万円
型鍛造工482.6万円
機械製図工480.3万円
一般化学工476.2万円
電気工472.5万円
測量技術者468.8万円
配管工466.5万円
営業用バス運転者466.3万円
家庭用品外交販売員464.8万円
臨床検査技師461.2万円
鉄鋼熱処理工456.6万円
営業用大型貨物自動車運転者456.1万円
鋳物工454.5万円
旋盤工450.7万円
鉄筋工445.2万円
鉄工444.0万円
ガラス製品工441.2万円
自動車整備工440.8万円
半導体チップ製造工439.0万円
玉掛け作業員437.8万円
溶接工437.1万円
オフセット印刷工434.4万円
化繊紡糸工433.1万円
デザイナー432.8万円
機械組立工432.6万円
金属・建築塗装工429.6万円
フライス盤工429.4万円
プログラマー425.8万円
製紙工424.2万円
板金工422.3万円
建設機械運転工420.9万円
電気めっき工420.1万円
営業用普通・小型貨物自動車運転者419.4万円
陶磁器工418.4万円
重電機器組立工417.3万円
大工414.9万円
プロセス製版工410.4万円
理学療法士、作業療法士409.6万円
自家用貨物自動車運転者406.8万円
機械検査工405.8万円
保険外交員405.2万円
准看護師403.0万円
金属プレス工400.2万円
合成樹脂製品成形工396.8万円
個人教師、塾・予備校講師393.7万円
介護支援専門員(ケアマネージャー)393.0万円
とび工393.0万円
土工393.0万円
仕上工392.7万円
型枠大工388.4万円
左官386.6万円
歯科技工士384.8万円
バフ研磨工384.6万円
紙器工382.3万円
ボイラー工382.2万円
電子計算機オペレーター380.7万円
歯科衛生士370.5万円
幼稚園教諭366.7万円
保育士(保母・保父)363.5万円
金属検査工362.9万円
はつり工361.2万円
建具製造工360.6万円
自家用乗用自動車運転者358.4万円
タクシー運転者357.6万円
ワープロ・オペレーター356.9万円
栄養士356.5万円
福祉施設介護員346.6万円
木型工343.9万円
家具工343.1万円
通信機器組立工341.4万円
調理士341.3万円
パン・洋生菓子製造工340.7万円
製材工340.4万円
販売店員(百貨店店員を除く。)333.7万円
守衛331.4万円
ホームヘルパー327.7万円
警備員326.6万円
娯楽接客員325.8万円
百貨店店員324.8万円
プリント配線工323.5万円
織布工321.3万円
理容・美容師311.4万円
給仕従事者306.3万円
看護補助者303.2万円
キーパンチャー298.2万円
軽電機器検査工294.9万円
用務員282.1万円
精紡工274.4万円
洗たく工269.0万円
調理士見習263.4万円
ビル清掃員260.9万円
スーパー店チェッカー249.7万円
洋裁工220.4万円
ミシン縫製工217.5万円

出典|賃金構造基本統計調査(厚労省)に基づいて作成(2019年)
※年収額は「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」から算出

【職業の解説】
一級建築士|一級建築士の資格を有し、住宅その他の建築物の建設、改修、維持に関する計画、設計、技術指導、施工管理、検 査などの技術的な業務に従事する者をいう。

技術士|機械技術士、電気技術士、資源工学技術士、建設技術士、経営工学技術士などの職種を含み、科学技術に関する高度の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価、又は、これらに関する指導の業務を行う者をいう。

掘削・発破工|削岩工、掘進員、手掘員などの職種を含み、坑内又は坑外において、削岩機を用いる仕事又はダイナマイト等火薬による発破作業によって、岩石を破砕し、掘進する仕事に従事する者をいう。

電気工|電工、電路工、ケーブル接続工、内線工、 外線工、高圧線工、配線工などの職種を含み、屋根の配線又は電気炉、電気照明設備その他の電気通 信機械器具の配線、保全の仕事に従事する者をいう。

クレーン運転工|クレーン運転士、移動式クレーン運転士、 デリック運転士、揚貨装置運転士などの職種を含み、クレーン、移動式クレーン、デリック、揚貨装置の運転及び保守の仕事に従事する者をいう。

測量技術者|測量士、測量士補、森林測量技術者、道路測量士、鉱山測量技術者、水路測量技術者などの職種を含み、土地・水路・森林・鉱山・港湾・航空写真等の測量に関する計画、機械の調節、作業の実施、指導など、及び、測量に関する成果・資料のとりまとめなどの技術的な仕事に従事する者をいう。

配管工|給排水衛生士、冷暖房工などの職種を含み、建物における給排水、冷暖房、給汽給湯、換気などの設 備工事に関する配管及び金属・非金属管の加工、装着な どの仕事に従事する者をいう。

金属・建築塗装工|船体塗装工、金属製がん具塗り工、自動車塗装工、金属製品吹付塗装工、鉄道車両塗装工、建築塗装工などの職種を含み、金属面の素地こしらえ(脱脂、さび溶し、化成皮膜処理 等)、パテ付け、とぎ等を行い、調合した塗料を噴霧塗装機 又ははけを用いて塗装し、みがき等による塗装面の仕上げに従事する者又は建築物の塗装の仕事に従事する者をいう。

溶接工|電気溶接工、ガス溶接工、スポット溶接 工、バット溶接工、酸素溶接工、アセチレンガス切断工などの職種を含み、アセチレンガス発生器、アーク溶接機等を用いて金属を溶接、溶断する仕事に従事する者をいう。

鉄工|製かん工、製かん鉄工、金属タンク製造工、ボイラー組立工、構造物鉄工、車両鉄工、鉄骨工などの職種を含み、金属板、鋼板、形鋼等の切断、曲げ、穴あけ、打出し、つば出し、リベット締め等の仕事に従事するとともに、現図、 け書きの補助、ひずみ取り、組み立て等の仕事及び鉄塔、 鉄柱、鉄橋、高層建築などの建設における鉄骨の建方相 番、びょう打ち当盤及びびょう焼、鉄びょうなどの仕事に従 事する者をいう。

とび工|杭打ち工、構造物解体工、家屋曳方工などの職種を含み、高所における下記の仕事及びそれに類似する作業に従事する者をいう。
1) 鉄筋コンクリート建築及び橋梁建設などにおける足場の組立て、解体及び杭打ちの仕事
2) 木造建築における足場、柱の組立て、棟上げの作業又は建造物の移動、解体の仕事
3) 架設エレベーター、杭打機、巻き上げ等建設用機械の組立て、据え付けの仕事(時にはウインチ等簡単な機械 の操作を行うこともある。)

板金工|薄板工、車体板金工、建築板金工などの職種を含み、主として手作業により、鋼板、特殊鋼板、非鉄金属板等 の薄金属板を切断、曲げ、打出し、びょう打ち、ろう付け、溶接等により、曲面のある一般容器、ダクト類、被覆物等の板金物に加工する仕事及び金属薄板による屋根ふきの仕事に従事するとともに、板金加工用工作機械の操作、調整、 板金製品のひずみ取り、板金加工用ゲージ及び金型の製作等も行う者をいう。

建設機械運転工|重機械運転工、機械運転工、特殊機械 運転工、捲堀工などの職種を含み、重機械(パワーショベル、ドラグショベル、ジャンボー、ブルドーザー等)、一般機械(フォークリフト、エレベーター、ウインチ等)の建設機械を運転して、掘削、積込み、運搬などをする仕事に従事する者をいう。

玉掛け作業員|玉掛工、スリング掛工などの職種を含み、荷の積みおろし、移動のため、クレーン、移動式クレーン、 デリック、揚貨装置のフックに各種荷物を引掛け、クレーン等の運転者に積みおろしの合図を送る仕事に従事する者 をいう。

鉄筋工|鉄筋切断工、鉄筋組立工、鉄筋成型工などの職種を含み、鉄筋の下ごしらえ、組立て(螺線などの組立て、結束)及び加工(鋸、ガスなどによる鉄筋の切断、屈曲、成型)などの仕事に従事する者をいう。

土工|掘削土工、根切り土工、埋設土工、コンクリート工、ミキサー工などの職種を含み、建設現場又は土木工事現場において、ある程度の技能を要し土砂の掘削、根切り、運搬の作業及び手又は機械によるコンクリート打ちの作業等高度の肉体労働に従事する者をいう。

はつり工|こわし工などの職種を含み、コンクリート、れんが等構築物の表面のはつり取り、床、壁の穴あけ及びコンクリート壊しの仕事に従事する者をいう。

左官|真壁塗工、モルタル工、プラスター塗工、漆喰塗工、人造石塗工、調剤練工、モルタル防水工などの職種を含み、土、モルタル、プラスター、漆喰、人造石などの壁材料を用いて、壁塗りなどをする仕事に従事する者をいう。

型枠大工|型枠工、金属枠取付工などの職種を含み、木製又は金属製の型枠を用い、コンクリート型枠の組立 て、取付け及び除去をする仕事に従事する者をいう。

大工|建築大工、堂宮大工、数寄屋大工、造作大工などの職種を含み、家屋、橋梁などの築造、屋内における造作などをする仕事に従事する者をいう。

建具製造工|建具職、戸・障子製造職、ガラス戸製造職、雨戸製造職、建具木工、木取工、建具組立工、建具吊込工、ほぞ付穴あけ工、建具切込工などの職種を含み、乾燥している木材を所定寸法に木取りをし、かんな、のみ等の手工具及びかんな盤、昇降盤等の木工機械を使用して加工し、くぎ及び接着剤を用いて組み立て、仕上げをし、木製の戸、障子、ふすま等の建具を製作する仕事に従事する者をいう。

出典|賃金構造基本統計調査の現行の職種解説(厚労省)

「建設業の賃金」はこちらから↓
ゼネコン大手23社の平均年収ランキング
主要デベロッパー29社の平均年収ランキング
建設業年収ランキング
一級建築士の年収
大工の年収
とび工の年収
土工の年収
鉄筋工の年収
型枠大工の年収
鉄工の年収
溶接工の年収
板金工の年収
左官の年収
電気工の年収
配管工
管理者・事務員・技術者の年収(男性編)
管理者・事務員・技術者の年収(女性編)
現場職人の年収

「関連記事-働き方改革が建設業に与える影響」はこちらから↓
(1)2018年現在の状況を整理
(2)工期や建設費への影響
(3)週休二日へ向けた具体的な取り組み

「関連記事-建設業界の人手不足の現状と対策」はこちらから↓
(1)現在までの状況
(2)人手不足の根本的な要因
(3)就労先として人気を得るには
(4)新たな発想で人手不足を解消する

「関連記事-建設業の社会保険未加入問題」はこちらから↓
(1)現在の状況と問題の背景
(2)ガイドライン改訂の影響と今後の予測

「関連記事-人手不足の深刻化が進む建設業における外国人技能実習生活用の実態」はこちらから↓
(1)外国人技能実習生ニーズの現状
(2)実習生の採用から受け入れ
(3)採用のメリットとデメリット

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