とび工の年収|建設業の賃金【2018年版】
【建設業の賃金④】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、前回のコラムでは、「大工」の賃金水準について紹介しました。今回は「とび工」の賃金水準に焦点を当て、年齢別や地域別の賃金水準について年収ベースで具体的に紹介していきます。
とび工の年収は全国で421.5万円の水準、男女差は約148万円!
まず、全国におけるとび工の年収を性別にみてみると、男性の場合で421.6万円、一方で女性の場合では273.8万円の水準、男女の合計では421.6万円となっています。その為、とび工の年収における男女差は147.8万円の大きな違いがあることが分かります。(下図参照)
また、男女の合計における年収水準が男性の場合に近い理由として、とび工の全体数のうち男性の占める割合が大きいことが考えられます。
年齢別では、55歳-59歳が490.4万円で最も高い水準に!
次に、全国におけるとび工(男性)の年収を年齢別にみてみると、19歳以下の250.0万円から30歳-34歳の450.7万円まで大きく増えていることが分かります。また、とび工の年収は55歳-59歳の490.4万円をピークとして、60歳以上からは減少する傾向にあり、70歳以上では318.7万円の水準まで落ち込んでいます。(下図参照)
都道府県別でみた年収、最も高い水準は宮崎、次いで静岡、群馬が高水準に!
さらに、全国におけるとび工(男性)の年収を都道府県別でみてみると、最も高い水準は宮崎の481.7万円、次いで静岡の473.7万円、群馬の473.0万円が続き、これらの地域における水準は全国の水準より50万円程度高い水準となっています。一方、最も低い水準は奈良の217.3万円、次いで兵庫の308.0万円、長崎の317.5万円になります。なお、東京都における年収は460.9万円と全体で6番目の水準となっています。(下図参照)
とび工の年収、東京都、全国で共に横ばい傾向に!
①東京都における年収水準の傾向は!?
2017年までの東京都におけるとび工(男性)の年収水準を見てみると、2013年の293.8万円から2015年の596.4万円まで大きく増加しています。その翌年2016年には455.1万円まで大きく減少しましたが、その後2017年の460.9万円まで横ばい傾向で推移しています。(下図参照)
②全国における年収水準の傾向は!?
同様に、全国におけるとび工(男性)の年収水準を見てみると、2012年の372.0万円から2015年の418.5万円まで若干の増加傾向で推移し、その後は2017年の421.6万円まで概ね横ばい傾向で推移していることが読み取れます。(下図参照)
以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズとして、とび工の賃金水準について年収をベースに年齢別や都道府県別の観点から紹介しました。
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【職業の解説】
とび工|建築とび工、堂宮とび工、数寄屋とび工、造作とび工などの職種を含み、家屋、橋梁などの築造、屋内における造作などをする仕事に従事する者をいう。
出典|賃金構造基本統計調査の現行の職種解説(厚労省)

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