左官の年収|建設業の賃金【2018年版】
【建設業の賃金⑪】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、前回のコラムでは「板金工」の賃金水準について紹介しました。今回は「左官」の賃金水準に焦点を当て、年齢別や地域別の賃金水準について年収ベースで紹介していきます。
左官の年収は全国で383.0万円の水準!
まず、全国における左官の年収をみてみると、男性の場合で383.0万円となっています。また、今回採用したデータでは、女性の計数がありませんでした。(下図参照)
年齢別では、45歳-49歳が485.0万円で最も高い水準に!
次に、全国における左官(男性)の年収を年齢別にみてみると、19歳以下の254.9万円から20歳-24歳の342.9万円まで大きく増えていることが分かります。また、年齢別でみた左官の年収は45歳-49歳の485.0万円をピークとして、50歳以上からは減少する傾向にあり、60歳-64歳では430.2万円の水準まで落ち込んでいます。(下図参照)
都道府県別でみた年収、最も高い水準は奈良、次いで山梨、神奈川が高水準に!
さらに、全国における左官(男性)の年収を都道府県別でみてみると、最も高い水準は奈良の554.0万円、次いで山梨の543.1万円、神奈川の496.9万円が続き、これらの地域における水準は全国の水準より110万円以上高い水準となっています。一方、年収の最も低い水準は鹿児島の196.8万円、次いで佐賀の237.0万円、栃木の250.7万円になります。なお、東京都における年収は448.0万円と全体で7番目の水準となっています。(下図参照)
左官の年収、岩手では減少傾向、全国では横ばいの傾向に!
①岩手における年収水準の傾向は!?
2017年までの岩手における左官(男性)の年収水準を見てみると、2010年の314.0万円から2011年の381.3万円まで大きく増加しています。その後の2014年の270.1万円まで大きく減少しました。そして、2015年には348.3万円と大きく増加しましたが、2017年時点では290.2万円の水準と減少傾向にあります。(下図参照)
②全国における年収水準の傾向は!?
同様に、全国における左官(男性)の年収水準を見てみると、2011年の331.6万円から2013年の376.3万円まで増加し、その後、2014年に347.5万円の水準まで落ち込みました。そこから2015年に379.7万円の水準まで回復し、その後は2017年の383.0万円まで概ね横ばいの傾向で推移していることが読み取れます。(下図参照)
以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズとして、左官の賃金水準について年収をベースに年齢別や都道府県別の観点から紹介しました。
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【職業の解説】
左官|建築左官、堂宮左官、数寄屋左官、造作左官などの職種を含み、家屋、橋梁などの築造、屋内における造作などをする仕事に従事する者をいう。
出典|賃金構造基本統計調査の現行の職種解説(厚労省)

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