管理者・事務員・技術者の年収(女性)|建設業の賃金【2018年版】
【建設業の賃金⑮】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、今回は「管理者・事務員・技術者(女性)」の賃金水準に焦点を当て、年齢別や企業規模別の賃金水準について年収ベースで紹介していきます。
管理者・事務員・技術者の年収(女性)は全国で381.8万円の水準!
まず、全国における管理者・事務員・技術者の年収を性別にみてみると、男性の場合で633.2万円、一方で女性の場合では381.8万円の水準、男女の合計では約583.0万円となっています。その為、男女の年収には約251.4万円と大きな開きがあることが分かります。(下図参照)
また、男女の合計における年収水準が男性の場合に近い理由として、管理者・事務員・技術者の全体数のうち男性の占める割合が大きいことが考えられます。
年齢別では45歳-49歳が440.6万円で最も高い水準に!
全国における管理者・事務員・技術者の年収(女性)を年齢別にみてみると、19歳以下の205.2万円から25歳-29歳の354.3万円まで大きく増えていることが分かります。(下図参照)
また、45歳-49歳の440.6万円をピークとして、その後は55歳-59歳では420.9万円まで落ち込み、さらに60歳以上で大きく減少する傾向となっており、60歳-64歳では331.4万円の水準まで減少しています。
企業規模別では1000人以上の企業が537.2万円と最も高い水準に!
全国における管理者・事務員・技術者の年収(女性)を企業規模別にみてみると、1000人以上の企業の場合で537.2万円と最も高い水準に、続いて100人-999人の企業の場合で372.2万円、そして10人-99人の企業では316.7万円となりました。(下図参照)
企業規模・年齢別でみた管理者・事務員・技術者の年収(女性)!
①1000人以上の企業における年齢別年収水準のピークは約693万円!
1000人以上の企業規模で管理者・事務員・技術者の年収(女性)を年齢別にみてみると、20歳-24歳の332.0万円から25歳-29歳の453.1万円までは大きく増加していることが分かります。(下図参照)
そして、45歳-49歳の659.7万円まで右肩上がりで増加し、その後は50歳-54歳の599.4万円まで減少しますが、55歳-59歳で693.1万円とピークになっています。さらに、60歳以上では非常に大きく減少する傾向となっており、60歳-64歳では372.2万円、65歳-69歳では217.0万円の水準まで落ち込んでいます。
②100人-999人の企業における年齢別年収水準のピークは約416万円!
100人-999人の企業規模で管理者・事務員・技術者の年収(女性)を年齢別にみてみると、19歳以下の222.2万円から25歳-29歳の333.4万円まで5歳おきに約50万円から60万円増えていることが読み取れます。(下図参照)
その後、管理者・事務員・技術者の年収(女性)は45歳-49歳まで穏やかな増加傾向で推移し、55歳-59歳まで概ね横ばいやや減少で推移します。そして、60歳-65歳の415.7万円でピークを迎え、その後65歳以上では半減し、65歳-69歳では226.2万円の水準となっています。
③10人-99人の企業における年齢別年収水準のピークは約355万円!
10人-99人の企業規模で管理者・事務員・技術者の年収(女性)を年齢別にみてみると、19歳以下の201.0万円から25歳-29歳の297.5万円まで5歳おきに約30万円から60万円の増加となっていることが分かります。(下図参照)
一方、30歳以上ではピークとなる50歳-54歳の355.4万円を迎えるまで非常に穏やかな増加傾向で推移します。その後は60歳-64歳の時点で298.0万円の水準まで落ち込みますが、65歳以上で再び300万円を超える水準まで回復して推移していることが読み取れます。
全国の管理者・事務員・技術者の生涯年収(女性)は1億9974万円に!
企業規模別に管理者・事務員・技術者(女性)の生涯年収を試算した結果、1000人以上の企業規模の場合で2億5385万円と最も高い水準に、続いて100-999人の企業の場合で1億9360万円、そして10-99人の企業では1億7233万円となりました。なお、全体では1億9974万円となっています。(下図参照)
以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズとして、管理者・事務員・技術者(女性)の賃金水準について年収をベースに年齢別や企業規模別の観点から紹介しました。
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【データ・用語の説明】
①データは賃金構造基本統計調査(厚労省)における「管理・事務・技術労働者(建設業)」に基づく。
②用語の説明
管理・事務・技術労働者|管理・事務・技術労働者とは、生産労働者以外の労働者をいう。
守衛、夜警は、生産労働者に含め、生産部門で労働するものであっても、事務員、技術員及び主として監督的業務に従事する職長、組長等は管理・事務・技術労働者に含めている。
生産労働者|建設現場で直接建設作業に従事する労働者。
出典|賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明(厚労省)

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