とび工の年収|建設業の賃金【2019年版】
【年収で把握するとび工の賃金|2019年版】
建設業における賃金の水準を把握する「建設業の賃金」シリーズ、今回は「とび工」の賃金水準に焦点を当て、年齢別や地域別の賃金水準について年収ベースで具体的に紹介していきます。
とび工の年収は全国で420.7万円の水準、男女差は約171万円!
まず、全国におけるとび工の年収を性別にみてみると、男性の場合で423.1万円、一方で女性の場合では251.9万円の水準、男女の合計では420.7万円となっています。その為、とび工の年収における男女差は171.2万円の大きな違いがあることが分かります。(下図参照)
また、男女の合計における年収水準が男性の場合に近い理由として、とび工の全体数のうち男性の占める割合が大きいことが考えられます。
年齢別では、45歳-49歳が508.9万円で最も高い水準に!
次に、全国におけるとび工(男性)の年収を年齢別にみてみると、19歳以下の282.7万円から30歳-34歳の401.5万円まで段階的に増加傾向で推移した後、35歳-39歳の468.8万円まで大きく増加していることが分かります。また、とび工の年収は45歳-49歳の508.9万円をピークとして、60歳-64歳の370.8万円まで減少傾向で推移しています。しかしながら、その後は増加傾向で推移しており、70歳以上では438.6万円の水準まで回復しています。(下図参照)
都道府県別でみた年収、最も高い水準は三重、次いで神奈川、栃木が高水準に!
全国におけるとび工(男性)の年収を都道府県別でみてみると、最も高い水準は三重の636.0万円、次いで神奈川の557.2万円、栃木の543.0万円、千葉の536.0万円が続き、これらの地域における水準は全国の水準より110万円程度高い水準となっています。一方、最も低い水準は愛媛の284.9万円、次いで熊本の308.4万円、和歌山の324.0万円になります。なお、東京都における年収は509.9万円と全体で8番目に高い水準となっています。(下図参照)
とび工の年収、東京都は増加傾向も全国では横ばい傾向に!
①東京都における年収水準の傾向は!?
2018年までの東京都におけるとび工(男性)の年収水準を見てみると、2013年の293.8万円から2015年の596.4万円まで大きく増加していますが、2016年には455.1万円と大きく減少しています。その後2017年の460.9万円まで概ね横ばい傾向で推移した後、2018年の時点では509.9万円と増加傾向にあることが読み取れます。(下図参照)
②全国における年収水準の傾向は!?
同様に、全国におけるとび工(男性)の年収水準を見てみると、2012年の372.0万円から2015年の418.5万円まで若干の増加傾向で推移し、2016年には若干下落したものの、2018年の423.1万円まで概ね横ばいから若干の増加傾向で推移していることが読み取れます。(下図参照)
以上のように、今回は「建設業の賃金」シリーズとして、とび工の賃金水準について年収をベースに年齢別や都道府県別の観点から紹介しました。
注1)年収を算出する際に対象としたデータについてサンプル数が50人未満の場合についてはばらつきを考慮して対象から除外した。
建設業の年収相場2019年版TOPへ戻る
過去データを見る|建設業の年収相場2018年版TOPへ
【職業の解説】
とび工|建築とび工、堂宮とび工、数寄屋とび工、造作とび工などの職種を含み、家屋、橋梁などの築造、屋内における造作などをする仕事に従事する者をいう。
出典|賃金構造基本統計調査の現行の職種解説(厚労省)

「建設業の賃金」はこちらから↓
・ゼネコン大手22社の平均年収ランキング
・建設業年収ランキング
・一級建築士の年収
・大工の年収
・とび工の年収
・土工の年収
・鉄筋工の年収
・型枠大工の年収
・鉄工の年収
・溶接工の年収
・板金工の年収
・左官の年収
・電気工の年収
・配管工
・管理者・事務員・技術者の年収(男性編)
・管理者・事務員・技術者の年収(女性編)
・現場職人の年収
「関連記事-働き方改革が建設業に与える影響」はこちらから↓
(1)2018年現在の状況を整理
(2)工期や建設費への影響
(3)週休二日へ向けた具体的な取り組み
「関連記事-建設業界の人手不足の現状と対策」はこちらから↓
(1)現在までの状況
(2)人手不足の根本的な要因
(3)就労先として人気を得るには
(4)新たな発想で人手不足を解消する
「関連記事-建設業の社会保険未加入問題」はこちらから↓
(1)現在の状況と問題の背景
(2)ガイドライン改訂の影響と今後の予測
「関連記事-人手不足の深刻化が進む建設業における外国人技能実習生活用の実態」はこちらから↓
(1)外国人技能実習生ニーズの現状
(2)実習生の採用から受け入れ
(3)採用のメリットとデメリット