ハウスメーカーと工務店の違い(1)〜住宅設計のスタイルの違い〜
夢のマイホーム、中でも戸建住宅を注文で建てる場合、その依頼先には大きく分けて2種類が存在します。1つがハウスメーカーと呼ばれる規模の大きな会社。そしてもう1つが、主に工務店と呼ばれる、地元に密着した比較的規模の小さな会社です。
人生の中でも最大の買い物である住宅建設をハウスメーカーに任せるのか、それとも工務店に任せるのか。大きな決断をするために、それぞれの特徴やメリット、デメリットを調べていきます。
ハウスメーカーと工務店
それぞれの特徴を調べる前に、まずハウスメーカーと工務店の表面的な違いを把握してみましょう。
「○○ホーム」とか、「○○ハウス」という名前の会社をテレビCMでよく見かけると思います。簡単にいえば、こうした会社がハウスメーカーです。一方の工務店は、その名のとおり「○○工務店」とか「○○建設」という名称のほか、バラエティに富んだ名称の会社まで様々です。
会社の規模は、例外はありますが、総じてハウスメーカーのほうが大きくなります。営業範囲についても、ハウスメーカーは全国区で展開している会社が多いのに対して、工務店は地域に密着した、比較的狭い範囲で事業を行っています。
飲食店に例えると、ハウスメーカーは多数の店舗を展開するファミリーレストランなどのチェーン店で、工務店は個人店というイメージになります。ただ、飲食店は規模が異なるだけで、基本的なサービス内容に違いはありませんが、ハウスメーカーと工務店には、サービス内容に微妙な違いが見られます。
ハウスメーカーは多数の住宅設計プランを用意している
あなたが土地を所有し、そこに住宅を建てようとする場合、まず初めにどのような住宅を建てるのかを決める必要があります。設計とかプランニング(企画立案)と呼ばれる段階です。
ハウスメーカーでは、注文者のライフスタイルや好み、予算に応じた多数の住宅設計プランを用意しています。注文者は用意されたプランを比較検討して、自分の希望のプランを選び出し、注文するというスタイルです。
このスタイルのいいところは、設計内容が決まっていて、必要な資材も確保されており、施工の際の効率的な手順なども確立しているため、注文から完成までの進行がスムーズに進みやすいということです。
実績のある優秀な住宅設計プランを有していることがハウスメーカーの財産であり、最大の特徴といえるでしょう。
工務店は注文者と一緒にプランを考える
ハウスメーカーでは、あらかじめ住宅のプランが用意されていましたが、工務店では注文者の要望を受けてから住宅設計を始めるというスタイルが基本になります。1から設計を考えることができるため、自分の思う通りの家を建てることが可能で、自由度が高いことが特徴といえるでしょう。
また、会社の規模が比較的小さい工務店では、営業担当と現場担当が兼任になっていることも多く、現場のことに詳しい人と直接話がしやすいといった利点もあります。注文者の細かい要望にもフットワークよく対応できることが工務店の特徴といえるでしょう。
今回はハウスメーカーと工務店の基本的な特徴を紹介しました。次回からは、さらに深く踏み込んで、メリットやデメリットを考えていきます。
「ハウスメーカーと工務店の違い」はこちら↓
(1)住宅設計のスタイルの違い
(2)価格面の比較
(3)設計、デザイン面の比較
(4)安心感があるのはどちらか
(5)満足度が高いのはどちらか
「関連記事①-持ち家か賃貸住宅か」はこちら↓
(1)支出を比較する方法
(2)持ち家の維持・修繕の実際
(3)35年後の資産価値
(4)賃貸住宅における原状回復の範囲
(5)最終結論
「関連記事②-自社ビルか賃貸か」はこちら↓
(1)自社ビルのメリット
(2)自社ビルのデメリット
(3)賃貸のメリット
(4)賃貸のデメリット
(5)財務面の影響とこれまでのまとめ