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ハウスメーカーと工務店との違い(4)〜安心感があるのはどちらか〜

ハウスメーカーと工務店の違いについて考えるシリーズ。第4回は、住宅を注文するにあたっての安心感や保証面についてハウスメーカーと工務店の違いを考えてみます。

ハウスメーカーと工務店との違い(4)〜安心感があるのはどちらか〜

万が一の際の保証面はどうなってるか


ハウスメーカーに住宅を注文した人に理由を聞くと、多く挙げられるのが倒産の問題です。規模の小さな工務店だと、完成前に倒産してしまうかもしれない、という不安があるということですね。

大手ハウスメーカーだからといって倒産しないとは限らないわけですが、客観的に見て、規模の小さな工務店のほうが倒産の危険は大きいとはいえます。

ただ、万一の倒産に対しては、住宅完成保証という対策もあります。国土交通省が行っている制度で、完成前に業者が倒産した場合に、前払金を返還したり、別業者に施工を引き継いだ際の工事費の増加分を保証してくれる制度です。

この保証は、注文者が加入するのではなく、工務店が加入するものなので、工務店選びの際に、この保証に加入している工務店かどうかを確認しておくといいでしょう。

営業マンと現場担当者のどちらと話たいか


ハウスメーカーに住宅を注文する場合、プランニングから施工中の相談まで、話をする相手はハウスメーカーの営業マンがメインになります。相手は接客のプロですから、対応は丁寧で、話術も豊富。最初の段階で、自分とは合わないな、と感じたら営業担当を変えてもらったり、別のハウスメーカーにするという選択も可能です。

ただ、住宅営業のプロではあっても、建築のプロではありませんから、施工段階の専門的なことには、すぐに答えられず「確認して後日連絡します」といわれるようなこともあるでしょう。難しいことはプロに任せておけばいい、というタイプの人なら気にならないでしょうが、専門的なことも確認しておきたいというタイプの人だと、不満に感じるケースもあるかもしれません。

工務店の場合は、規模にもよりますが、営業専門の担当者ではなく、現場責任者や小規模な会社では社長が話をする相手になることが多いです。また、営業マンが相手になる場合でも、施工の細かい段階を煮詰める段階では、現場の担当者が同席することが一般的です。

特殊な施工が必要になるケースや、専門的な質問にもその場で的確に答えてもらえることが多く、概算の見積もりなども速やかに出てきます。ただ、顧客対応のプロではないため、説明が専門的で理解しづらい、忙しそうで気軽に連絡しづらい、といったケースもあるかもしれません。

営業マンと現場責任者のどちらと話をしたほうがいいかは、一概には決められません。営業マンの中にも、専門家並みに現場のことに詳しい人もいるでしょうし、話術が得意な現場責任者もいるでしょう。重要なことは、自分の要望をよく聞いて理解してくれる相手を見つけることです。

モデルハウスと完成披露会


ハウスメーカーの利点として、住宅展示場のモデルハウスで実際の完成イメージを確認できることを挙げました。実は工務店でも、一種のモデルハウスを見学するチャンスがあります。それが完成披露会と呼ばれるものです。

完成披露会とは、実際に注文を受けて建てられた住宅を、注文者に引き渡される前に見学できるシステムのこと。その工務店で住宅の注文を検討している人に、実際に建築されたイメージをつかんでもらうために行われています。

モデルハウスのように家具や生活用品までは入っていませんし、自分が希望する設計とは大きく異なる設計の住宅しか見学できないこともあります。しかし、実際に引き渡される住宅を見ることができるので、仕上げの丁寧さなど施工品質まで確認できるのがメリットです。

安心感をどう考えるか


一般的には規模の大きい会社のほうが安心感が得られると考える人が多いでしょう。一方で、地元の工務店で建てていれば、将来修繕や改築などが必要になった際に気軽に相談できますし、対応も速やかに行ってもらえます。これも一つの安心感といえます。

結局のところ、ハウスメーカーと工務店のメリットやデメリットをよく理解したうえで、より安心感を得られると考えられる方を選択するということが重要になるといえそうです。

「ハウスメーカーと工務店の違い」はこちら↓
(1)住宅設計のスタイルの違い
(2)価格面の比較
(3)設計、デザイン面の比較
(4)安心感があるのはどちらか
(5)満足度が高いのはどちらか

「関連記事①-持ち家か賃貸住宅か」はこちら↓
(1)支出を比較する方法
(2)持ち家の維持・修繕の実際
(3)35年後の資産価値
(4)賃貸住宅における原状回復の範囲
(5)最終結論

「関連記事②-自社ビルか賃貸か」はこちら↓
(1)自社ビルのメリット
(2)自社ビルのデメリット
(3)賃貸のメリット
(4)賃貸のデメリット
(5)財務面の影響とこれまでのまとめ

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