手持ち工事月数とは|建設用語集
【手持ち工事月数】
「手持ち工事月数」とは建設会社がある時点で抱えている手持ち工事量を解消するのに必要となる期間を表す指標。その為、直接的ではないものの、建設会社が抱える工事の量や繁閑具合を計る指標として活用されている。
「手持ち工事月数」と手持ち工事高(または繰越高や未消化工事高)と施工高(または出来高や売上高)の関係は下記のように表せる。
【手持ち工事月数、手持ち工事高、施工高の関係】
手持ち工事高 ÷ 過去12ヵ月の平均施工高 = 手持ち工事月数(ヵ月)
よって「手持ち工事月数」は、ある時点で建設会社が抱える手持ち工事の量を1か月の平均的な施工の量で解消する為には何カ月必要かを表している。その為、例えば建設会社の決算(通期)においては、これらの関係は下記の形でも表すことが可能となる。
次期繰越高 ÷ 今期売上高 × 12ヵ月 = 今期末時点の手持ち工事月数(ヵ月)
また、建建設工事統計調査 概要(国交省)において「手持工事月数」は「調査期日の未消化工事高を調査期日までの12カ月平均の施工高で除した数値をいう」と定義されている。
一般に、「手持ち工事月数」は建設会社の規模により、その水準が異なる。例えば、工期の長い大型開発工事案件を多く抱える大規模建設会社の「手持ち工事月数」は、工期の短い小規模な工事案件が大半である建設会社と比較して、その期間が長くなる。
具体的に、スーパーゼネコン(大手5社)、準大手ゼネコン、中堅ゼネコンの平均的な「手持ち工事月数」は約15カ月から20カ月程度である一方、小規模な建設会社の平均的な「手持ち工事月数」は4ヵ月から8カ月程度となっている。
その為、「手持ち工事月数」の指標は同一の建設会社において過去からの繁忙傾向を把握する際、または、同程度の規模である建設会社間で繁忙水準を比較する際などに採用される。
なお、「手持ち工事月数」を把握できる統計データとしては国交省による「建設工事受注動態統計調査(大手50社)」がある。
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