手持工事高とは|建設用語集
【手持ち工事高】
「手持ち工事高」とは契約済みの建設工事における請負金額のうち、未着手の工事に相当する金額分を指す。未消化工事高や繰越高と概ね同様の意。
「手持ち工事高」と受注高、施工高の関係は下記のように表せる。
【受注高、施工高、手持工事高の関係】
前期末手持ち工事高+今期受注高-今期施工高=今期末手持ち工事高
なお「手持ち工事高」は、その時点で抱えている工事量、つまり将来の売上となる為、単体または特定の建設市場における建設業者の工事受注意欲を測る重要な指標にもなる。
例えば、建設会社における「手持ち工事高」の水準が高い場合には、工事が豊富にあり将来的な売り上げも見通せる為、新規案件に対して無理に受注する必要がなくなる。一方で「手持ち工事高」の水準が低い場合には、抱える工事量が少なく売り上げの先行きが見えない為、新規案件の受注に対して積極的な姿勢となる。
その為、建設会社の「手持ち工事高」の水準が市場全体で高い水準にある状況で、建設市場は「売り手市場」に、また、低い水準にある状況で「買い手市場」となる。(下図参照)
上図からも読み取れるように、ゼネコンの手持ち工事高は「売り手市場」の状況で増加する一方、「買い手市場」の状況で減少する。
建設業全体や特定規模の建設業者における「手持ち工事高」を把握できる統計データとしては国交省による「建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)」や「建設総合統計」がある。
2023年5月末時点での「手持ち工事高」は建設市場全体で約38.4兆円となり、そのうち約37.5%を公共の土木工事が、35.5%を民間の建築工事が占めてる。
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【関連ワード】
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