買い手市場とは|建設用語集
【買い手市場とは】
建設業における「買い手市場」とは、供給可能な工事量が市場における建設需要を上回ることで、工事の発注者(買い手)と工事を実施するゼネコン(売り手)の関係性が、発注者有利(買い手有利)になる市場の状況を指す。
「買い手市場」の特徴としては、ゼネコン各社が案件受注に向けて競争する市場が形成されることで、各社が自らの経費や利益を削って競争に臨むため、建築費(建築プライス)の水準が下落しやすい傾向になることが挙げられる。(下図参照)
一方、「売り手市場」の特徴としては、ゼネコンが他社と競争する見積合せや競争入札には興味を示さなくなり、利益率の高い案件を選別して受注することができるため、建築費(建築プライス)の水準が上昇しやすい傾向となることが挙げられる。(下図参照)
一般に、施工高(供給量)が受注高(需要量)を上回った状態が「買い手市場(発注者が有利の市場)」、受注高(需要量)が施工高(供給量)を上回った状態が「売り手市場(ゼネコンが有利の市場)」となる。(下図参照)
例えば、施工高が受注高を上回る状況では、ゼネコンは、将来的な売上(施工高)が減少する見通しとなり、受注に向け積極的な姿勢となる為、自らの経費や利益を削って競争に臨む。
一方、受注高が施工高を上回る状況において、ゼネコンは、将来的な売上(施工高)が見込める為、無理な受注競争を避け、利益率の高い案件など選別受注することが可能となる。
また、ゼネコンの手持ち工事高は「買い手市場」の状況では減少し、「売り手市場」の状況では増加するが、需給バランスが均衡している状況では変化しないことも特徴としてあげられる。(上図参照)
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