ゼネコンの手持ち工事高ランキング|ゼネコンランキング【2024年版】
【ゼネコン大手23社の繰越高ランキング|2024年版】
国内の主要なゼネコンの状況を業績などから把握する「ゼネコンの状況」シリーズ、今回はゼネコン大手23社の繰越高ランキング(手持ち工事高のランキング)について2024年3月期決算における各社の繰越高をベースに紹介します。
一般的にゼネコンは会社規模で分類されることを踏まえて、今回は下記に示す観点より具体的に紹介していきます。
- 1. ゼネコン大手23社の繰越高ランキング
- 2. スーパーゼネコンの繰越高ランキング
- 3. 準大手ゼネコンの繰越高ランキング
- 4. 中堅ゼネコンの繰越高ランキング
- 5. ゼネコン規模別の繰越高比較
- 参考|データ一覧
1. ゼネコン大手23社の繰越高ランキング
まず、ゼネコン大手23社で見た場合、大成建設が2兆7,736億円と繰越高の水準が最も高いゼネコンとなりました。また、清水建設、大林組、鹿島建設がそれぞれ2兆4,256億円、2兆3,956億円、2兆2,798億円と大成建設に続いています。(下図参照)
一方、最も繰越高の低いゼネコンは東洋建設の1,677億円、続いて、錢高組、淺沼組、飛島建設が1,728億円、1,765億円、1,978億円と上位ゼネコンとは10倍以上の大きな開きがあることが読み取れます。なお、23社における平均は8,718億円となっています。
2. スーパーゼネコンの繰越高ランキング
次に、スーパーゼネコン5社で見た場合、大成建設が2兆7,736億円と繰越高の水準が最も高いスーパーゼネコンとなりました。そして清水建設、大林組、鹿島建設、竹中工務店がそれぞれ2兆4,256億円、2兆3,956億円、2兆2,798億円、1兆3,889億円と続いています。そして、大成建設と清水建設、大林組、鹿島建設の大手4社が2兆円超の手持ち工事量を抱えていることが分かります。(下図参照)
また、大成建設と竹中工務店では繰越高の差が1兆3,800億円以上と、同じスーパーゼネコンでも、その水準に大きな差があることが読み取れます。なお、スーパーゼネコン5社の平均は2兆2,527億円と2兆円を超え、鹿島建設と竹中工務店の間に位置する水準となっていることが分かります。
3. 準大手ゼネコンの繰越高ランキング
準大手ゼネコン10社における繰越高を見てみると、五洋建設が1兆1,036億円と1兆円を超え、繰越高の水準が最も高い準大手ゼネコンとなりました。戸田建設、長谷工コーポレーション、前田建設工業、三井住友建設がそれぞれ8,189億円、7,479億円、7,346億円、5,983億円と続いています。(下図参照)
一方、繰越高の水準が最も低い準大手ゼネコンは東急建設で3,974億円となり、安藤ハザマ、フジタ、熊谷組、西松建設が5,230億円、5,525億円、5,824億円、5,855億円と続いています。なお、準大手ゼネコンにおける平均は約6,644億円で前田建設工業と三井住友建設の間の水準にあることが読み取れます。
4. 中堅ゼネコンの繰越高ランキング
さらに、中堅ゼネコン8社における繰越高を見てみると、繰越高の水準が最も高くなったゼネコンは奥村組で4,667億円でした。そして東亜建設工業、鉄建建設、大豊建設が3,974億円、2,759億円、2,103円と続いています。(下図参照)
一方、繰越高の水準が最も低くなった中堅ゼネコンは東洋建設で1,677億円となりました。そして、錢高組、淺沼組、飛島建設が1,728億円、1,765億円、1,978億円と続いています。なお、中堅ゼネコンにおける平均は約2,680億円で、この水準は鉄建建設と大豊建設の間に位置していることが分かります。
5. ゼネコン規模別の繰越高比較
ここで、ゼネコン規模別の観点から繰越高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は2兆2,527億円、準大手ゼネコン10社の平均は6,644億円、中堅ゼネコン8社の平均は2,680億円となりました。これより、平均的な繰越高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.4倍、中堅ゼネコンに対しては約8.4倍の規模となっていることが読み取れます。(下図参照)
同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.5倍の大きさとなっています。また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ4,882億円、8,718億円でありました。
参考|データ一覧
最後に、今回対象としたゼネコン大手23社と採用されたデータについて、参考として一覧表で以下に紹介します。
【対象としたゼネコン大手23社】
ゼネコン規模 | 会社名 |
スーパーゼネコン | 清水建設 大成建設 大林組 鹿島建設 竹中工務店 |
準大手ゼネコン | 五洋建設 長谷工コーポレーション 戸田建設 熊谷組 前田建設工業 西松建設 三井住友建設 安藤ハザマ 東急建設 フジタ |
中堅ゼネコン | 奥村組 鉄建建設 東洋建設 東亜建設工業 淺沼組 飛島建設 錢高組 大豊建設 |
【ゼネコン大手23社の繰越高ランキング|データ一覧】
会社名 | 繰越高(単独) | ゼネコン規模 |
---|---|---|
大成建設 | 2兆7736億円 | スーパーゼネコン |
清水建設 | 2兆4256億円 | スーパーゼネコン |
大林組 | 2兆3956億円 | スーパーゼネコン |
鹿島建設 | 2兆2798億円 | スーパーゼネコン |
竹中工務店 | 1兆3889億円 | スーパーゼネコン |
五洋建設 | 1兆1036億円 | 準大手ゼネコン |
戸田建設 | 8189億円 | 準大手ゼネコン |
長谷工コーポレーション | 7479億円 | 準大手ゼネコン |
前田建設工業 | 7346億円 | 準大手ゼネコン |
三井住友建設 | 5983億円 | 準大手ゼネコン |
西松建設 | 5855億円 | 準大手ゼネコン |
熊谷組 | 5824億円 | 準大手ゼネコン |
フジタ | 5525億円 | 準大手ゼネコン |
安藤ハザマ | 5230億円 | 準大手ゼネコン |
東亜建設工業 | 4764億円 | 中堅ゼネコン |
奥村組 | 4667億円 | 中堅ゼネコン |
東急建設 | 3974億円 | 準大手ゼネコン |
鉄建建設 | 2759億円 | 中堅ゼネコン |
大豊建設 | 2103億円 | 中堅ゼネコン |
飛島建設 | 1978億円 | 中堅ゼネコン |
淺沼組 | 1765億円 | 中堅ゼネコン |
錢高組 | 1728億円 | 中堅ゼネコン |
東洋建設 | 1677億円 | 中堅ゼネコン |
スーパーゼネコン5社平均 | 2兆2527億円 | スーパーゼネコン5社 |
準大手ゼネコン10社平均 | 6644億円 | 準大手ゼネコン10社 |
中堅ゼネコン8社平均 | 2680億円 | 中堅ゼネコン8社 |
準大手・中堅ゼネコン18社平均 | 4882億円 | 準大手・中堅ゼネコン18社 |
ゼネコン大手23社平均 | 8718億円 | ゼネコン大手23社 |
注1)値は「単独」に基づく。
注2)フジタの繰越高は弘文社による推計値
以上のように、今回は「ゼネコンの状況」シリーズとして、国内の主要なゼネコン大手23社の繰越高ランキングについて紹介しました。
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