ゼネコンとは|建設用語集
【ゼネコン】
【General Contractor】
ゼネコンとはGeneral Contractor の略称で建設会社を表す総称。
建設会社は大きく、発注者(施主)から直接工事を請負う「元請業者(元請建設会社)」と元請業者の請負った工事を部分的に施工する「下請業者(下請建設会社)」に分類されるが、前者をゼネコン、後者をサブコン(Subcontractorの略称)として使い分けられるのが一般的。
また、請負った工事の大半を下請として施工している下請業者(サブコン)であっても、発注者(施主)から全体工事を直接請負った場合は元請業者となる為、その場合における立場はサブコンではなくゼネコンとなる。
ゼネコンの特徴は元請業者として発注者(施主)より建設工事を請負い、必要な工事を部分的に下請業者や専門工事業者へ外注すると共に、建設現場における工事全体の調整・管理(マネジメント)を行うことで請け負った工事を完成させることにある。上場ゼネコン大手21社の有価証券報告書に基づくと、ゼネコン原価内訳において外注費が占める割合は平均で約63%となっている(2022年3月末時点)。
また、国内建設工事の大半が、契約締結後に設計変更などにより契約条件が変わらない限りは実際に工事で要した費用が契約額を超えた場合でも発注者から追加の支払いが発生しない「総価請負契約」で契約されることを踏まえると、資材価格や労務費の上昇などといったリスクを取って工事を請負い、「コスト」「工期」「品質」「リスク」をマネジメントしながら施工を実施することもゼネコンの大きな特徴として挙げられる。
なお、建設総合統計(国交省)によると、2022年度における国内ゼネコンの市場規模は出来高ベースで年間約53兆2891億円である。
ゼネコンは大きくは「スーパーゼネコン(大手5社)」「準大手ゼネコン」「中堅ゼネコン」「その他のゼネコン」と会社の規模に応じて分類される。
この分類について明確な定義は無いものの、一般には売上高(単独)が概ね1兆円超のゼネコンを「スーパーゼネコン」、概ね3000億円超のゼネコンを「準大手ゼネコン」、概ね1000億円超のゼネコンを「中堅ゼネコン」として分類される場合が多い。
国内の「スーパーゼネコン」「準大手ゼネコン」「中堅ゼネコン」「その他の主要なゼネコン」は下記の一覧表に示す通り。
【スーパーゼネコン(大手5社)一覧】
単独の売上高が1兆円を超えるスーパーゼネコン5社
会社名 | 売上高(単独) | 従業員数(単独) |
---|---|---|
清水建設 | 1兆5573億円 | 1万845人 |
鹿島建設 | 1兆4328億円 | 1万137人 |
大林組 | 1兆3870億円 | 1万56人 |
大成建設 | 1兆3256億円 | 9897人 |
竹中工務店 | 1兆428億円 | 8088人 |
スーパーゼネコン5社合計 | 6兆7455億円 | 4万9023人 |
スーパーゼネコン5社平均 | 1兆3491億円 | 9805人 |
注)2023年3月末時点の値
【準大手ゼネコン一覧】
単独の売上高が概ね3000億円を超える準大手ゼネコン10社
会社名 | 売上高(単独) | 従業員数(単独) |
長谷工コーポレーション | 7062億円 | 3205人 |
フジタ | 5215億円 | 3443人 |
五洋建設 | 4691億円 | 4943人 |
戸田建設 | 4655億円 | 4215人 |
前田建設工業 | 3759億円 | 3277人 |
安藤ハザマ | 3448億円 | 3283人 |
三井住友建設 | 3376億円 | 4807人 |
西松建設 | 3274億円 | 2804人 |
熊谷組 | 2993億円 | 2635人 |
東急建設 | 2615億円 | 2761人 |
準大手ゼネコン10社合計 | 4兆1087億円 | 3万5373人 |
準大手ゼネコン10社平均 | 4109億円 | 3537人 |
注)2023年3月末時点の値
【中堅ゼネコン一覧】
単独の売上高が概ね1000億円を超える中堅ゼネコン11社
会社名 | 売上高(単独) | 従業員数(単独) |
---|---|---|
奥村組 | 2423億円 | 2596人 |
鴻池組 | 2415億円 | 1907人 |
東亜建設工業 | 2032億円 | 1698人 |
鉄建建設 | 1574億円 | 2113人 |
東洋建設 | 1499億円 | 1436人 |
淺沼組 | 1328億円 | 1293人 |
東鉄工業 | 1159億円 | 1685人 |
大豊建設 | 1157億円 | 1052人 |
飛島建設 | 1132億円 | 1294人 |
錢高組 | 1076億円 | 972人 |
福田組 | 882億円 | 895人 |
中堅ゼネコン11社合計 | 1兆6677億円 | 1万6941人 |
中堅ゼネコン11社平均 | 1516億円 | 1540人 |
注)2023年3月末時点の値
【その他の主要なゼネコン一覧】
単独の売上高が概ね1000億円未満の主要なゼネコン19社
会社名 | 売上高(単独) | 従業員数(単独) |
---|---|---|
ピーエス三菱 | 986億円 | 1105人 |
新日本建設 | 955億円 | 712人 |
ライト工業 | 946億円 | 943人 |
青木あすなろ建設 | 913億円 | 907人 |
若築建設 | 862億円 | 795人 |
DNC 大日本土木 | 843億円 | 951人 |
イチケン | 838億円 | 645人 |
名工建設 | 815億円 | 1130人 |
松井建設 | 808億円 | 745人 |
高松建設 | 785億円 | 1870人 |
矢作建設工業 | 777億円 | 1174人 |
ナカノフドー建設 | 716億円 | 725人 |
大本組 | 713億円 | 821人 |
大末建設 | 683億円 | 560人 |
西武建設 | 614億円 | 772人 |
不動テトラ | 590億円 | 805人 |
北野建設 | 587億円 | 531人 |
植木組 | 412億円 | 614人 |
株木建設 | 319億円 | 374人 |
その他主要なゼネコン19社合計 | 1兆4162億円 | 1万6179人 |
その他主要なゼネコン19社平均 | 745億円 | 852人 |
注)2022年3月末時点の値
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