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ゼネコン規模別の比較|ゼネコン規模別の状況把握【2019年版】

【業績から比較するゼネコン規模別の状況|2019年版】
国内の主要なゼネコンの状況を業績などから把握する「ゼネコンの状況」シリーズ、今回はゼネコン規模別の観点からみた状況について紹介していきます。

業績から把握するゼネコン規模別の状況比較社の状況
具体的には、2019年3月期決算における受注高や売上高、繰越高といった業績の状況をベースに、下記の点より比較して紹介します。

  • 1. 受注高の比較
  • 2. 売上高の比較
  • 3. 繰越高の比較
  • 4. 手持ち工事月数の比較
  • 5. 営業利益の比較
  • 6. 営業利益率の比較
  • 7. 従業員数の比較
  • 8. 平均年齢の比較
  • 9. 平均勤続年の比較
  • 10. 平均年収の比較
  • 11. 従業員あたり受注高の比較
  • 12. 従業員あたり売上高の比較
  • 13. 従業員あたり繰越高の比較
  • 14. 従業員あたり営業利益の比較
  • 参考|主要データ一覧

  • 1. 受注高の比較


    まず、ゼネコン規模別の観点から受注高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆3874億円、準大手ゼネコン9社の平均は4460億円、中堅ゼネコン8社の平均は1808億円となりました。これより、平均的な受注高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.1倍、中堅ゼネコンに対しては約7.7倍の規模となっていることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の受注高比較


    また、同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.5倍の規模となりました。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ3212億円、5635億円となっています。

    2. 売上高の比較


    次に、ゼネコン規模別の観点から売上高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆2914億円、準大手ゼネコン9社の平均は4078億円、中堅ゼネコン8社の平均は1498億円となりました。これより、平均的な売上高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.2倍、中堅ゼネコンに対しては約8.6倍の大きさとなっていることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の売上高比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.7倍の規模とっています。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ2864億円、5148億円でした。

    3. 繰越高の比較


    続いて、ゼネコン規模別の観点から繰越高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆8518億円、準大手ゼネコン9社の平均は6152億円、中堅ゼネコン8社の平均は2174億円となりました。これより、平均的な繰越高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.0倍、中堅ゼネコンに対しては約8.5倍の規模であることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の繰越高比較


    また、同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.8倍の大きさでありました。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ4280億円、7516億円となっています。

    4. 手持ち工事月数の比較


    さらに、ゼネコン規模別の観点から手持ち工事月数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は17.2ヵ月、準大手ゼネコン9社の平均は18.1ヵ月、中堅ゼネコン8社の平均は17.4ヵ月でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の手持ち工事月数比較


    これより、準大手ゼネコン9社が最も手持ち工事月数が長いゼネコン規模となり、続いて中堅ゼネコン8社、そしてスーパーゼネコン5社が最も手持ち工事月数の短いゼネコン規模となっていることが分かります。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ17.9ヵ月、17.5ヵ月でした。

    5. 営業利益の比較


    ここで、ゼネコン規模別の観点から営業利益について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1120億円、準大手ゼネコン9社の平均は312億円、中堅ゼネコン8社の平均は69億円となりました。これより、平均的な営業利益の観点より見たスーパーゼネコンの規模は、準大手ゼネコンに対して約3.6倍、中堅ゼネコンに対しては約16.3倍の大きさであることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の営業利益比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約4.5倍の規模となっています。また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ198億円、407億円でした。

    6. 営業利益率の比較


    一方で、ゼネコン規模別の観点から営業利益率について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は8.7%、準大手ゼネコン9社の平均は7.7%、中堅ゼネコン8社の平均は4.6%でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の営業利益率比較


    これより、スーパーゼネコン5社が最も営業利益率が高いゼネコン規模となり、続いて準大手ゼネコン9社、そして中堅ゼネコン8社は最も営業利益率の低いゼネコン規模であることが分かります。また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ6.9%、7.9%となっています。

    7. 従業員数の比較


    ここで、ゼネコン規模別の平均的な従業員数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は9401人、準大手ゼネコン9社の平均は3384人、中堅ゼネコン8社の平均は1512人となりました。これより、平均的な従業員数の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約2.8倍、中堅ゼネコンに対しては約6.2倍大きいゼネコンであることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員数比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.2倍の規模のゼネコンであると言えます。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均の従業員数はそれぞれ2503人、4070人でした。

    8. 平均年齢の比較


    続いて、ゼネコン規模別の平均年齢について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は43.3歳、準大手ゼネコン9社の平均は44.2歳、中堅ゼネコン8社の平均は44.2歳となりました。これより、規模別の観点でみた平均年齢は43.3歳から44.2歳までの極めて狭い範囲の中にあることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均年齢比較


    また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均年齢はそれぞれ44.2歳、43.7歳でありました。

    9. 平均勤続年の比較


    ゼネコン規模別の平均勤続年数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は17.6年、準大手ゼネコン9社の平均は18.9年、中堅ゼネコン8社の平均は18.7年となりました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均勤続年数比較


    これより、規模別の観点でみた平均勤続年数は17.6年から18.9年までの比較的に狭い範囲にあることが読み取れます。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均勤続年数はそれぞれ18.8年、18.2年でありました。

    10. 平均年収の比較


    ここで、ゼネコン規模別の観点から平均年収について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1056.4万円、準大手ゼネコン9社の平均は871.7万円、中堅ゼネコン8社の平均は856.7万円でした。これより、スーパーゼネコンにおける平均年収の水準は準大手ゼネコンに対して約185万円、中堅ゼネコンに対しては約300万円高い水準にあることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均年収比較


    また、同様の観点で準大手ゼネコンにおける平均年収は中堅ゼネコンに対して約15万円高い水準にあり、準大手ゼネコンと中堅ゼネコンの両者における平均年収は概ね近い水準にあると言えます。なお、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ867.4万円、966.6万円となっています。

    11. 従業員あたり受注高の比較


    ゼネコン規模別に従業員あたり受注高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は147.6百万円/人、準大手ゼネコン9社の平均は131.8百万円/人、中堅ゼネコン8社の平均は119.6百万円/人でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり受注高の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ128.4百万円/人と138.4百万円/人になっています。

    12. 従業員あたり売上高の比較


    続いて、ゼネコン規模別に従業員あたり売上高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は137.4百万円 /人、準大手ゼネコン9社の平均は120.5百万円 /人、中堅ゼネコン8社の平均は99.1百万円 /人でありました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり売上高の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ114.4百万円 /人と126.5百万円 /人となっています。

    13. 従業員あたり繰越高の比較


    さらにゼネコン規模別に従業員あたり繰越高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は197.0百万円 /人、準大手ゼネコン9社の平均は181.8百万円 /人、中堅ゼネコン8社の平均は143.8百万円 /人でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり繰越高の比較


    そして、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ171.0百万円 /人と184.6百万円 /人となっています。

    14. 従業員あたり営業利益の比較


    ここで、ゼネコン規模別に従業員あたり営業利益を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は11.9百万円 /人、準大手ゼネコン9社の平均は9.2百万円/人、中堅ゼネコン8社の平均は4.6百万円 /人となっています。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり営業利益の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ7.9百万円 /人と10.0百万円 /人でした。

    参考|主要データ一覧


    最後に、今回対象とした規模別のゼネコン大手22社と採用されたデータのうち主要なデータについて、参考として一覧表で以下に紹介します。

    【対象としたゼネコン大手22社】
    ゼネコン規模会社名
    スーパーゼネコン清水建設 大成建設 大林組 鹿島建設 竹中工務店
    準大手ゼネコン五洋建設 長谷工コーポレーション 戸田建設 熊谷組 前田建設工業 西松建設 三井住友建設 安藤ハザマ 東急建設
    中堅ゼネコン奥村組 鉄建建設 東洋建設 東亜建設工業 淺沼組 飛島建設 錢高組 大豊建設


    【ゼネコン規模別の状況比較|主要データ一覧】
    項目スーパーゼネコン準大手ゼネコン中堅ゼネコン準大手・中堅ゼネコン17社大手ゼネコン22社
    ① 受注高6兆9370億円4兆143億円1兆4464億円5兆4607億円12兆3977億円
    ② 売上高6兆4568億円3兆6705億円1兆1986億円4兆8691億円11兆3259億円
    ③ 繰越高9兆2588億円5兆5368億円1兆7390億円7兆2759億円16兆5347億円
    ④ 営業利益5602億円2810億円552億円3362億円8963億円
    ⑤ 営業利益率8.7%7.7%4.6%6.9%7.9%
    ⑥ 手持ち工事月数17.2ヵ月18.1ヵ月17.4ヵ月17.9ヵ月17.5ヵ月
    ⑦ 従業員数4万7004人3万452人1万2093人4万2545人8万9549人
    ⑧ 受注高(平均)1兆3874億円4460億円1808億円3212億円5635億円
    ⑨ 売上高(平均)1兆2914億円4078億円1498億円2864億円5148億円
    ⑩ 繰越高(平均)1兆8518億円6152億円2174億円4280億円7516億円
    ⑪ 営業利益(平均)1120億円312億円69億円198億円407億円
    ⑫ 従業員数(平均)9401人3384人1512人2503人4070人
    ⑬ 平均年齢43.3歳44.2歳44.2歳44.2歳43.7歳
    ⑭ 平均勤続年数17.6年18.9年18.7年18.8年18.2年
    ⑮ 平均年収1056.4万円871.7万円856.7万円867.4万円966.6万円
    ⑯ 従業員あたり受注高147.6百万円/人131.8百万円/人119.6百万円/人128.4百万円/人138.4百万円/人
    ⑰ 従業員あたり売上高137.4百万円/人120.5百万円/人99.1百万円/人114.4百万円/人126.5百万円/人
    ⑱ 従業員あたり繰越高197.0百万円/人181.8百万円/人143.8百万円/人171.0百万円/人184.6百万円/人
    ⑲ 従業員あたり営業利益11.9百万円/人9.2百万円/人4.6百万円/人7.9百万円/人10.0百万円/人
    出典|有価証券報告書、決算短信に基づいて作成(2019年3月末時点)
    注)値は「単独」に基づく。

    以上のように、今回は「ゼネコンの状況」シリーズとして、ゼネコン規模別の観点から、受注高や売上高といった業績の状況をベースに比較して紹介しました。

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