準大手ゼネコンの状況|ゼネコン規模別の状況把握【2019年版】

【業績から把握する準大手ゼネコン|2019年版】
国内の主要なゼネコンの状況を業績などから把握する「ゼネコンの状況」シリーズ、今回はゼネコン規模別の観点から、準大手ゼネコンの状況について紹介していきます。

業績から把握する準大手ゼネコンの状況
具体的には、2019年3月期決算における受注高や売上高、繰越高といった業績の状況や傾向をベースに以下の点より紹介します。

  • 1. 受注高の状況

  • 2. 売上高の状況

  • 3. 繰越高の状況

  • 4. 営業利益と営業利益率の状況

  • 5. 従業員の状況

  • 参考|主要データ一覧

  • 1. 受注高の状況


    まず、2018年度における準大手ゼネコン9社の受注高は平均で4460億円と前年度から約7.9%の増加となりました。受注高は2012年度から2014年度の4188億円まで増加傾向で推移した後、2015年度に3711億円まで減少しました。(下図参照)


    準大手ゼネコンの受注高


    その後、2016年度から3年連続の増加傾向で推移し、2018年度は過去8年間で見た場合に最も高い水準となっています。また、この2018年度の水準は、底となった2012年度の水準と比較してみると約59.1%高い水準にあり、この6年間で約6割も増加していることが分かります。

    ここで、準大手ゼネコンの業界シェアを受注高ベースで見てみると、建設業全体のうち準大手ゼネコン9社の占める割合は6.7%となっております。(下図参照)


    準大手ゼネコンの受注高内訳構成


    国内の建設業者数が約46万5000社であることを踏まえると、準大手ゼネコンが9社で占める業界シェアは比較的に大きな水準にあり、建設需要に対して一定の影響力があると考えられます。

    2. 売上高の状況


    次に、2018年度における準大手ゼネコンの売上高は平均で4078億円と前年度より約7.8%の増加となりました。売上高は2011年度の2935億円から2015年度の3767億円まで増加傾向で推移した後、2016年度の3610億円まで若干減少しました。(下図参照)


    準大手ゼネコンの売上高


    その後は、2018年度まで2年連続の増加傾向にあり、受注高と同様に過去8年間で最も高い水準となっていることが読み取れます。この2018年度の水準を底であった2011年度の水準と比較してみると、売上高はこの7年間で約39.0%と4割近く増加していることが分かります。

    3. 繰越高の状況


    続いて、2018年度における準大手ゼネコンの繰越高は平均で6152億円と前年度から約11.0%の増加となりました。繰越高は底であった2012年度の3190億円から2018年度まで6年連続で継続的な増加傾向で推移していることが読み取れます。(下図参照)


    準大手ゼネコンの繰越高


    そして、この2018年度の水準は2012年度の水準と比較して約92.9%も高い水準にあり、次期に繰り越されることになる手持ち工事の量がこの6年間で2倍弱に膨れ上がり、結果として過去8年間で最高の水準となっていることが分かります。

    ここで、建設会社が期末時点で「繰越高」として抱えている手持ち工事を解消する為に必要な期間を示す「手持ち工事月数」と呼ばれる指標についても見ていきます。

    2018年度における準大手ゼネコンの手持ち工事月数は18.1ヵ月と2015年度から3年連続の増加傾向で推移して、直近の8年間で見た場合に最も高い水準となっていることが読み取れます。(下図参照)


    準大手ゼネコンの手持ち工事月数



    4. 営業利益・営業利益率の状況


    2018年度における準大手ゼネコンの営業利益は312億円と前年度より約2.4%減少しました。営業利益は底となっていた2012年度の67億円から2017年度の320億円まで5年連続の増加傾向にありましたが、今回6年ぶりに若干ながら減少へと転じました。しかしながら、この2018年度の水準は直近の8年間で2番目に高い水準にあり、前年度から減少したものの高水準にあることが分かります。(下図参照)


    準大手ゼネコンの営業利益と営業利益率


    また、2018年度の営業利益率は7.7%と前年度から若干下落しました。営業利益率は営業利益の推移を反映する形で2012年度を底として5年連続で2017年度の8.5%まで上昇した後、2018年度は下落へ転じていることが読み取れます。

    5. 従業員の状況


    2018年度における準大手ゼネコンの従業員数は平均で3384人と2013年度の2852人より5年連続の増加傾向で推移していることが読み取れます。(下図参照)


    準大手ゼネコンの従業員の状況


    また、2018年度の準大手ゼネコンにおける従業員の平均年齢は44.2歳、平均勤続年数は18.9年、平均年収は871.7万円でした。

    さらに準大手ゼネコンの業績について従業員一人あたりの水準で見てみると、従業員あたり受注高、売上高、繰越高、営業利益は、それぞれ約131.8(百万円/人)、120.5(百万円/人)、181.8(百万円/人)、9.2(百万円/人)となっています。(下図参照)


    準大手ゼネコンの従業員あたり受注高、売上高、繰越高、営業利益



    参考|主要データ一覧


    最後に、今回対象とした準大手ゼネコン9社と採用されたデータのうち主要なデータについて、参考として一覧表で以下に紹介します。

    【対象とした準大手ゼネコン9社】
    ゼネコン規模会社名
    準大手ゼネコン五洋建設 長谷工コーポレーション 戸田建設 熊谷組 前田建設工業 西松建設 三井住友建設 安藤ハザマ 東急建設


    【準大手ゼネコンの状況|主要データ一覧】
    項目備考
    ① 受注高4兆143億円9社の総額
    ② 売上高3兆6705億円9社の総額
    ③ 繰越高5兆5368億円9社の総額
    ④ 営業利益2810億円9社の総額
    ⑤ 営業利益率7.7%④÷②
    ⑥ 手持ち工事月数18.1ヵ月③÷②×12ヵ月
    ⑦ 従業員数3万452人9社の総数
    ⑧ 受注高(平均)4460億円①÷9社
    ⑨ 売上高(平均)4078億円②÷9社
    ⑩ 繰越高(平均)6152億円③÷9社
    ⑪ 営業利益(平均)312億円④÷9社
    ⑫ 従業員数(平均)3384人⑦÷9社
    ⑬ 平均年齢44.2歳総年齢÷⑦
    ⑭ 平均勤続年数18.9年総年数÷⑦
    ⑮ 平均年収871.7万円総年収÷⑦
    ⑯ 従業員あたり受注高131.8(百万円/人)①÷⑦
    ⑰ 従業員あたり売上高120.5(百万円/人)②÷⑦
    ⑱ 従業員あたり繰越高181.8(百万円/人)③÷⑦
    ⑲ 従業員あたり営業利益9.2(百万円/人)④÷⑦
    出典|有価証券報告書、決算短信に基づいて作成(2019年3月末時点)
    注)値は「単独」に基づく。

    以上のように、今回は「ゼネコンの状況」シリーズとして、ゼネコン規模別の観点から準大手ゼネコンの状況について、受注高や売上高といった業績の状況や傾向をベースに紹介しました。

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