ゼネコンの繰越高ランキング|ゼネコンランキング【2019年版】
【ゼネコン大手22社の繰越高ランキング|2019年版】
国内の主要なゼネコンの状況を業績などから把握する「ゼネコンの状況」シリーズ、今回はゼネコン大手22社の繰越高ランキング(手持ち工事高のランキング)について2019年3月期決算における各社の繰越高をベースに紹介します。
一般的にゼネコンは会社規模で分類されることを踏まえて、今回は下記に示す観点より具体的に紹介していきます。
- 1. ゼネコン大手22社の繰越高ランキング
- 2. スーパーゼネコンの繰越高ランキング
- 3. 準大手ゼネコンの繰越高ランキング
- 4. 中堅ゼネコンの繰越高ランキング
- 5. ゼネコン規模別の繰越高比較
- 参考|データ一覧
1. ゼネコン大手22社の繰越高ランキング
まず、ゼネコン大手22社で見た場合、大成建設が2兆2911億円と繰越高の水準が最も高いゼネコンとなりました。また、清水建設、鹿島建設、大林組がそれぞれ2兆1385億円、1兆9165億円、1兆6701億円と大成建設に続いています。(下図参照)
一方、最も繰越高の低いゼネコンは淺沼組の1544億円、続いて東洋建設、錢高組、飛島建設が1615億円、1650億円、1990億円と上位ゼネコンとは10倍以上の大きな開きがあることが読み取れます。なお、22社における平均は7516億円となっています。
2. スーパーゼネコンの繰越高ランキング
次に、スーパーゼネコン5社で見た場合、大成建設が2兆2911億円と繰越高の水準が最も高いスーパーゼネコンとなりました。そして清水建設、鹿島建設、大林組、竹中工務店がそれぞれ2兆1385億円、1兆9165億円、1兆6701億円、1兆2426億円と続いています。そして、大成建設と清水建設が大台である2兆円超の手持ち工事量を抱えていることが分かります。(下図参照)
また、大成建設と竹中工務店では繰越高の差が約9000億円と、同じスーパーゼネコンでもあっても、その水準に8割以上もの大きな差があることが読み取れます。なお、スーパーゼネコン5社の平均は1兆8518億円と大台である2兆円まであと一歩の水準まで迫っていることが分かります。
3. 準大手ゼネコンの繰越高ランキング
準大手ゼネコン9社における繰越高を見てみると、五洋建設が8735億円と繰越高の水準が最も高い準大手ゼネコンとなりました。戸田建設、三井住友建設、長谷工コーポレーションがそれぞれ7422億円、7385億円、6013億円と続いています。(下図参照)
一方、繰越高の水準が最も低い準大手ゼネコンは東急建設で3533億円となり、安藤ハザマ、西松建設、熊谷組が5182億円、5443億円、5704億円と続いています。なお、準大手ゼネコンにおける平均は約6152億円で三井住友建設と長谷工コーポレーションの間の水準にあることが読み取れます。
4. 中堅ゼネコンの繰越高ランキング
さらに、中堅ゼネコン8社における繰越高を見てみると、繰越高の水準が最も高くなったゼネコンは奥村組で3496億円でした。そして鉄建建設、東亜建設工業、大豊建設が2702億円、2218億円、2176億円と続いています。(下図参照)
一方、繰越高の水準が最も低くなった中堅ゼネコンは淺沼組で1544億円となりました。東洋建設、錢高組、飛島建設が1615億円、1650億円、1990億円と続いています。なお、中堅ゼネコンにおける平均は約2174億円で、この水準は概ね大豊建設と同等の水準にあることが分かります。
5. ゼネコン規模別の繰越高比較
ここで、ゼネコン規模別の観点から繰越高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆8518億円、準大手ゼネコン9社の平均は6152億円、中堅ゼネコン8社の平均は2174億円となりました。これより、平均的な繰越高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.0倍、中堅ゼネコンに対しては約8.5倍の規模となっていることが読み取れます。(下図参照)
同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.8倍の大きさとなっています。また、準大手・中堅ゼネコン17社、大手ゼネコン22社における平均はそれぞれ4280億円、7516億円でありました。
参考|データ一覧
最後に、今回対象としたゼネコン大手22社と採用されたデータについて、参考として一覧表で以下に紹介します。
【対象としたゼネコン大手22社】
ゼネコン規模 | 会社名 |
スーパーゼネコン | 清水建設 大成建設 大林組 鹿島建設 竹中工務店 |
準大手ゼネコン | 五洋建設 長谷工コーポレーション 戸田建設 熊谷組 前田建設工業 西松建設 三井住友建設 安藤ハザマ 東急建設 |
中堅ゼネコン | 奥村組 鉄建建設 東洋建設 東亜建設工業 淺沼組 飛島建設 錢高組 大豊建設 |
【ゼネコン大手22社の繰越高ランキング|データ一覧】
会社名 | 繰越高(単独) | ゼネコン規模 |
---|---|---|
大成建設 | 2兆2911億円 | スーパーゼネコン |
清水建設 | 2兆1385億円 | スーパーゼネコン |
鹿島建設 | 1兆9165億円 | スーパーゼネコン |
大林組 | 1兆6701億円 | スーパーゼネコン |
竹中工務店 | 1兆2426億円 | スーパーゼネコン |
五洋建設 | 8735億円 | 準大手ゼネコン |
戸田建設 | 7422億円 | 準大手ゼネコン |
三井住友建設 | 7385億円 | 準大手ゼネコン |
長谷工コーポレーション | 6013億円 | 準大手ゼネコン |
前田建設工業 | 5952億円 | 準大手ゼネコン |
熊谷組 | 5704億円 | 準大手ゼネコン |
西松建設 | 5443億円 | 準大手ゼネコン |
安藤ハザマ | 5182億円 | 準大手ゼネコン |
東急建設 | 3533億円 | 準大手ゼネコン |
奥村組 | 3496億円 | 中堅ゼネコン |
鉄建建設 | 2702億円 | 中堅ゼネコン |
東亜建設工業 | 2218億円 | 中堅ゼネコン |
大豊建設 | 2176億円 | 中堅ゼネコン |
飛島建設 | 1990億円 | 中堅ゼネコン |
錢高組 | 1650億円 | 中堅ゼネコン |
東洋建設 | 1615億円 | 中堅ゼネコン |
淺沼組 | 1544億円 | 中堅ゼネコン |
スーパーゼネコン5社平均 | 1兆8518億円 | スーパーゼネコン5社 |
準大手ゼネコン9社平均 | 6152億円 | 準大手ゼネコン9社 |
中堅ゼネコン8社平均 | 2174億円 | 中堅ゼネコン8社 |
準大手・中堅ゼネコン17社平均 | 4280億円 | 準大手・中堅ゼネコン17社 |
ゼネコン大手22社平均 | 7516億円 | ゼネコン大手22社 |
注)値は「単独」に基づく。
以上のように、今回は「ゼネコンの状況」シリーズとして、国内の主要なゼネコン大手22社の繰越高ランキングについて紹介しました。
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