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ゼネコン規模別の比較|ゼネコン規模別の状況把握【2023年版】

【業績から比較するゼネコン規模別の状況|2023年版】
国内の主要なゼネコンの状況を業績などから把握する「ゼネコンの状況」シリーズ、今回はゼネコン規模別の観点からみた状況について紹介していきます。

業績から把握するゼネコン規模別の状況比較社の状況
具体的には、2023年3月期決算における受注高や売上高、繰越高といった業績の状況をベースに、下記の点より比較して紹介します。

  • 1. 受注高の比較
  • 2. 売上高の比較
  • 3. 繰越高の比較
  • 4. 手持ち工事月数の比較
  • 5. 営業利益の比較
  • 6. 営業利益率の比較
  • 7. 従業員数の比較
  • 8. 平均年齢の比較
  • 9. 平均勤続年の比較
  • 10. 平均年収の比較
  • 11. 従業員あたり受注高の比較
  • 12. 従業員あたり売上高の比較
  • 13. 従業員あたり繰越高の比較
  • 14. 従業員あたり営業利益の比較
  • 参考|主要データ一覧

  • 1. 受注高の比較


    まず、ゼネコン規模別の観点から受注高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆4219億円、準大手ゼネコン10社の平均は4051億円、中堅ゼネコン8社の平均は1763億円となりました。これより、平均的な受注高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.5倍、中堅ゼネコンに対しては約8.1倍の大きさとなっていることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の受注高比較


    また、同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.3倍の大きさとなっています。なお、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ3034億円、5466億円でした。

    2. 売上高の比較


    次に、ゼネコン規模別の観点から売上規模について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1兆3491億円、準大手ゼネコン10社の平均は4109億円、中堅ゼネコン8社の平均は1528億円となりました。これより、平均売上の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.3倍、中堅ゼネコンに対しては約8.8倍の大きさであることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の売上高比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.7倍の規模となっています。また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均の売上規模はそれぞれ2962億円、5251億円でした。

    3. 繰越高の比較


    続いて、ゼネコン規模別の観点から繰越高について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は2兆735億円、準大手ゼネコン10社の平均は6407億円、中堅ゼネコン8社の平均は2485億円となりました。これより、平均的な繰越高の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.2倍、中堅ゼネコンに対しては約8.3倍の規模となっていることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の繰越高比較


    また、同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.6倍の大きさとなっています。また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ4664億円、8158億円でした。

    4. 手持ち工事月数の比較


    さらに、ゼネコン規模別の観点から手持ち工事月数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は18.4ヵ月、準大手ゼネコン10社の平均は18.7ヵ月、中堅ゼネコン8社の平均は19.5ヵ月となりました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の手持ち工事月数比較


    これより、中堅ゼネコン8社が最も手持ち工事月数が長いゼネコン規模となり、続いて準大手ゼネコン10社、そしてスーパーゼネコン5社が最も手持ち工事月数の短いゼネコン規模となっていることが分かります。なお、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ18.9ヵ月と18.6ヵ月でした。

    5. 営業利益の比較


    ここで、ゼネコン規模別の観点から営業利益について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は460億円、準大手ゼネコン10社の平均は131億円、中堅ゼネコン8社の平均は48億円となりました。これより、平均的な営業利益の観点より見たスーパーゼネコンの規模は準大手ゼネコンに対して約3.5倍、中堅ゼネコンに対しては約9.6倍の大きさであることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の営業利益比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.7倍の規模となっています。また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均の営業利益はそれぞれ94億円、174億円でした。

    6. 営業利益率の比較


    一方、ゼネコン規模別の観点から営業利益率について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は3.4%、準大手ゼネコン10社の平均は3.2%、中堅ゼネコン8社の平均は3.1%となりました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の営業利益率比較


    これより、スーパーゼネコン5社が最も営業利益率が高いゼネコン規模となり、続いて準大手ゼネコン10社、そして中堅ゼネコン8社は最も営業利益率の低いゼネコン規模となっていることが分かります。なお、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ3.2%、3.3%でした。

    7. 従業員数の比較


    ここで、ゼネコン規模別の平均的な従業員数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は9805人、準大手ゼネコン10社の平均は3537人、中堅ゼネコン8社の平均は1557人となりました。これより、平均的な従業員数の観点より見たスーパーゼネコンの規模は、準大手ゼネコンに対して約2.8倍、中堅ゼネコンに対しては約6.3倍大きいゼネコンであることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員数比較


    同様の観点で準大手ゼネコンは中堅ゼネコンに対して約2.3倍の規模のゼネコンであると言えます。なお、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均の従業員数はそれぞれ2657人、4211人となっています。

    8. 平均年齢の比較


    続いて、ゼネコン規模別の平均年齢について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は43.4歳、準大手ゼネコン10社の平均は43.4歳、中堅ゼネコン8社の平均は43.3歳となりました。これより、規模別の観点でみた平均年齢は43.3歳から43.4歳までの極めて狭い範囲の中にあることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均年齢比較


    また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均年齢は43.4歳となっています。

    9. 平均勤続年の比較


    ゼネコン規模別の平均勤続年数について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は17.5年、準大手ゼネコン10社の平均は17.7年、中堅ゼネコン8社の平均は17.8年となりました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均勤続年数比較


    これより、規模別の観点でみた平均勤続年数は17.5年から17.8年までと、非常に狭い範囲にあることが読み取れます。準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均勤続年数はそれぞれ17.7年、17.6年となっています。

    10. 平均年収の比較


    ここで、ゼネコン規模別の観点から平均年収について比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は1034.2万円、準大手ゼネコン10社の平均は879.4万円、中堅ゼネコン8社の平均は851.4万円となりました。これより、スーパーゼネコンにおける平均年収の水準は、準大手ゼネコンに対して約150万円、中堅ゼネコンに対しては約180万円高い水準にあることが読み取れます。(下図参照)


    ゼネコン規模別の平均年収比較


    また、同様の観点でみてみると、準大手ゼネコンにおける平均年収は、中堅ゼネコンに対して約30万円高い水準にあります。また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ872.1万円、954.1万円でした。

    11. 従業員あたり受注高の比較


    ゼネコン規模別に従業員あたり受注高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は145.0百万円/人、準大手ゼネコン10社の平均は114.5百万円/人、中堅ゼネコン8社の平均は113.2百万円/人でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり受注高の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ114.2百万円/人と129.8百万円/人になっています。

    12. 従業員あたり売上高の比較


    続いて、ゼネコン規模別に従業員あたり売上高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は137.6百万円 /人、準大手ゼネコン10社の平均は116.2百万円 /人、中堅ゼネコン8社の平均は98.1百万円 /人でありました。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり売上高の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ111.5百万円 /人と124.7百万円 /人となっています。

    13. 従業員あたり繰越高の比較


    さらにゼネコン規模別に従業員あたり繰越高を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は211.5百万円 /人、準大手ゼネコン10社の平均は181.1百万円 /人、中堅ゼネコン8社の平均は159.6百万円 /人でした。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり繰越高の比較


    そして、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ175.5百万円 /人と193.7百万円 /人となっています。

    14. 従業員あたり営業利益の比較


    ここで、ゼネコン規模別に従業員あたり営業利益を比較してみると、スーパーゼネコン5社の平均は4.7百万円 /人、準大手ゼネコン10社の平均は3.7百万円/人、中堅ゼネコン8社の平均は3.1百万円 /人となっています。(下図参照)


    ゼネコン規模別の従業員あたり営業利益の比較


    また、準大手・中堅ゼネコン18社、大手ゼネコン23社における平均はそれぞれ3.5百万円 /人と4.1百万円 /人でした。

    参考|主要データ一覧


    最後に、今回対象とした規模別のゼネコン大手23社と採用されたデータのうち主要なデータについて、参考として一覧表で以下に紹介します。

    【対象としたゼネコン大手23社】
    ゼネコン規模会社名
    スーパーゼネコン清水建設 大成建設 大林組 鹿島建設 竹中工務店
    準大手ゼネコン五洋建設 長谷工コーポレーション 戸田建設 熊谷組 前田建設工業 西松建設 三井住友建設 安藤ハザマ 東急建設 フジタ
    中堅ゼネコン奥村組 鉄建建設 東洋建設 東亜建設工業 淺沼組 飛島建設 錢高組 大豊建設


    【ゼネコン規模別の状況比較|主要データ一覧】
    項目スーパーゼネコン準大手ゼネコン中堅ゼネコン準大手・中堅ゼネコン18社大手ゼネコン23社
    ① 受注高7兆1097億円4兆514億円1兆4101億円5兆4615億円12兆5712億円
    ② 売上高6兆7455億円4兆1087億円1兆2221億円5兆3308億円12兆764億円
    ③ 繰越高10兆3675億円6兆4072億円1兆9882億円8兆3954億円18兆7629億円
    ④ 営業利益2302億円1312億円384億円1696億円3998億円
    ⑤ 営業利益率3.4%3.2%3.1%3.2%3.3%
    ⑥ 手持ち工事月数18.4ヵ月18.7ヵ月19.5ヵ月18.9ヵ月18.6ヵ月
    ⑦ 従業員数4万9023人3万5373人1万2454人4万7827人9万6850人
    ⑧ 受注高(平均)1兆4219億円4051億円1763億円3034億円5466億円
    ⑨ 売上高(平均)1兆3491億円4109億円1528億円2962億円5251億円
    ⑩ 繰越高(平均)2兆735億円6407億円2485億円4664億円8158億円
    ⑪ 営業利益(平均)460億円131億円48億円94億円174億円
    ⑫ 従業員数(平均)9805人3537人1557人2657人4211人
    ⑬ 平均年齢(注1)43.4歳43.4歳43.3歳43.4歳43.4歳
    ⑭ 平均勤続年数(注1)17.5年17.7年17.8年17.7年17.6年
    ⑮ 平均年収(注1)1034.2万円879.4万円851.4万円872.1万円954.1万円
    ⑯ 従業員あたり受注高145.0百万円/人114.5百万円/人113.2百万円/人114.2百万円/人129.8百万円/人
    ⑰ 従業員あたり売上高137.6百万円/人116.2百万円/人98.1百万円/人111.5百万円/人124.7百万円/人
    ⑱ 従業員あたり繰越高211.5百万円/人181.1百万円/人159.6百万円/人175.5百万円/人193.7百万円/人
    ⑲ 従業員あたり営業利益4.7百万円/人3.7百万円/人3.1百万円/人3.5百万円/人4.1百万円/人
    出典|有価証券報告書、決算短信等に基づいて作成(2023年3月末時点)
    注1)前田建設工業はインフロニア・ホールディングスの値に基づいて作成。
    注2)値は「単独」に基づく。

    以上のように、今回は「ゼネコンの状況」シリーズとして、ゼネコン規模別の観点から、受注高や売上高といった業績の状況をベースに比較して紹介しました。

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