主力とするターゲットや商品開発を建設需要から導こう!-面白いほどよくわかる建設市場-需要編(1)

建設業をわかりやすく解説する「建設業が面白いほどよくわかるシリーズ」、シリーズ第1弾は「面白いほどよくわかる建設市場」を「需要編」「供給編」「価格編」「市場予測」の4編に分けて紹介していきます。

まずは「需要編」として、国内の建設市場における「需要」にフォーカスし、建設市場における需要に関するアレコレをいろいろな切り口・視点から解説したいと思います。

面白いほどよくわかる建設市場-需要編(1)

そもそも「建設需要」は何の目的で使われているの?


よくニュースや新聞で「建設需要が急増で市場好転!」とか「工事費が高騰で建設需要が減少!」といったように「建設需要」という言葉を耳にしますが、そもそも「建設需要」という言葉は何の目的で使われているのでしょうか? ここでは「建設需要」という言葉について、活用の目的や使われ方について説明したいと思います。

まず「建設需要」は、建設業に投資を検討している投資家や法人が、投資先の市場とするか否かを判断する為の指標であると挙げられます。なぜなら、一般的に投資家は同じお金を投資するのであれば、より成長力の安定した市場へ、また、今後の需要が右肩上がりに増加する見込みのある市場へ投資したいと考えるからです。その為、建設市場の成長力や見通しを読み取る指標として「建設需要」を活用しているのです。

また「建設需要」を把握することは、マンションやビルの開発を行っている開発事業者、設計事務所や建設会社といった建設関連や不動産関連の企業にとっても非常に重要です。なぜならば、これらの企業にとって「建設需要」を適切に把握することは、結果として、商品開発への投資を検討したり、主力とするターゲットを決定する際の判断材料の一つとなるからです。

例えば、「建設需要」を調査した結果、住宅開発の需要は毎年縮小傾向にあり、今後も小さくなる可能性が高い一方、オフィス開発やホテル開発の需要は毎年右肩上がりにあると読み取れた場合、主力の商品開発を住宅からオフィスやホテルへ徐々にシフトする、という選択肢を導き出すことも可能となります。

このように「建設需要」は投資家をはじめ開発事業者、建設業者といった多くの関係者に使われている指標でであると同時に建設市場の今後の先行きを検討する際にも重要な役割を担う指標であるといえます。

「建設需要」が示している「需要」とは?


「建設需要」とは、字のごとく「建物や施設の建設工事に関する需要」を表す指標です。そして、この建設工事は一般に「施設用途」「工事のタイプ」「地域」などによって大きく分類されています。

例えば、戸建住宅、マンション、オフィスビルやショッピングモールといった人々の活動拠点となる建物に関する工事は「建築工事」と呼ばれ、橋、道路、鉄道、ダムといった産業や生活の基盤となる施設に関する工事は「土木工事」と呼ばれています。

また「建築工事」の中では、戸建住宅やマンションのような人が住むことを目的とした建物を「住宅建築」、オフィスやショッピングモール、工場のような人が住むこと目的としていない建物を「非住宅建築」と呼び分類しています。

一方、工事のタイプにより、ゼロから新しく建てる工事は「新築工事」や「新設工事」、もともとある建物や施設の改修、改築、増築を行う工事は、それぞれ「改修工事」「改築工事」「増築工事」など呼ばれ分類されています。

つまり「建設需要」とは、「東京におけるマンションの新築工事の需要」も含まれれば「北海道におけるオフィスビルの改修工事の需要」や「福岡における橋の改修工事の需要」も含まれるといったように、国内のあらゆる工事需要を表した総称であります。したがって、「建設需要が急増!」といった新聞の見出しを見たとしても、増えた需要の中身が重要であるのです。

「建設需要」と耳にしたら、その中身に注意しよう!


新聞や雑誌で「建設需要」に関する記事が掲載されている場合には、大抵の場合、前述した「施設用途」「工事のタイプ」「地域」の3点については記述があります。つまり対象となる施設が「マンションなのか?オフィスなのか?それともホテルなのか?」、工事のタイプが「新築工事なのか?改修工事なのか?」、地域が「国内全体なのか?関東なのか?関西なのか?それとも特定の都道府県なのか?」などといった情報を正確に把握することが重要なのです。

例えば、下記のような【記事】があった場合、以下の【選択肢】a)からd)のうち、この記事から「読み取れる情報」がどれであるかを考えてみましょう。

【記事】
「今年7月の首都圏における新築マンションの建設需要は前年同月比で15%増加した。一方、同地域において新設された非住宅建築は同年同月比で9%減少であった。」

【選択肢】
a) 首都圏における今年の新築建設需要は昨年と比較して増加した。
b) 首都圏における今年7月の新築建設需要は昨年7月の建設需要と比較して増加した。
c) 今年7月の首都圏における新設の建設需要は前年同月比でマンションでは増加したが非住宅建築では減少した。
d) 全国的に今年7月の新築建設需要は昨年7月と比較して増加した。

正解はC)となります。他のa)、b)、d)に例として挙げたように、記事に記載されている情報以外の拡大解釈を想像しないことが重要です。特に新聞や雑誌の見出しでは人目に映えるような見出しやキャッチコピーをつけられることが多い為、見出しから記事の内容を連想するだけではなく、記事の内容にもきちんと触れて記載されている情報について正確に読み取ることが「建設需要」を把握する上では重要となります。

次回のコラムでは建設市場の「需要」を把握する具体的な方法やアプローチについてフォーカスして解説を行います。

建設需要のPoint(1)
①「建設需要」は建設市場の先行きを判断する重要な指標!
②「建設需要」はあらゆる工事を表す総称!
③「建設需要」は中身が重要!(対象の施設は?工事のタイプは?地域は?)
④「建設需要」は客観的に正しい情報のみインプットすることが重要!

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「関連記事①-面白いほどよくわかる建設市場-供給編」はこちらから↓
(1)色々な視点から「建設業者の忙しさ」を把握しよう!
(2)「建設業者の忙しさ」を把握する具体的なアプローチとは!
(3)「建設業者の忙しさ」は業者の規模別に把握しよう!
(4)建設業者の供給状況を見抜いて実プロジェクトに応用しよう!

「関連記事②-面白いほどよくわかる建設市場-価格編」はこちらから↓
(1)「建築費」とは!?と聞かれたら!
(2)「建築費」ってどうやって算出されるの!?
(3)実務で使われる「概算」の方法とは!?
(4)「建築費」に影響を与える要因とは!?
(5)「建築費」の水準や傾向を把握するアプローチとは!?

「関連記事③-面白いほどよくわかる建設市場-建設市場予測編」はこちらから↓
(1)「建設市場」は「予想」でなく「予測」しよう!
(2)建築費が高騰/下落する仕組みとは!?
(3)建築費がいつ頃下落するか予測しよう!

「関連記事④-海外建設市場シリーズ」はこちらから↓
(1)世界62か国で建設費が最も高い水準なのは!?
(2)世界の建設市場における労務費を比べてみる!
(3)世界における建設市場規模はどの程度か!?

「関連記事⑤-建設統計からみた建設市場シリーズ」はこちらから↓
(1)2016年の「建築需要」と「建築費」の水準は!?
(2)建設市場における「受注高」「施工高」「未消化工事高」の水準は!?

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