建設需要を把握する3つのアプローチ! -面白いほどよくわかる建設市場-需要編(2)

建設業をわかりやすく解説する「面白いほどよくわかる建設市場」の「需要編」、第1回目のコラムでは「建設需要」という言葉について、その意味や活用する目的、使われ方などについて解説しました。2回目の今回は、建設市場で「需要」を把握する為の具体的な方法やアプローチについてフォーカスして解説していきたいと思います。

建設市場の「需要」を把握するアプローチは大きく3つ挙げることができますがこれらを順に説明していきます。

面白いほどよくわかる建設市場-需要編(2)

①公的な統計データを活用するアプローチ!


最初のアプローチとしては、国交省のような公的機関などが公表している「公的な統計データを活用する方法」が挙げられます。なぜならば、統計データには建設市場の「需要」を把握する為の指標が数多く含まれているからです。また、基本的に公的な統計データは無料でインターネットより取得することが可能であり、手軽に取得することができます。

では、具体的にどのような指標が統計データより活用できるのかを見ていきましょう。まず「金額(円)」によって表される「建設会社の受注高(円)」と呼ばれる指標が挙げられます。また、「戸数」や「面積」により表される「新設着工住宅戸数(戸)」や「着工床面積(㎡)」と呼ばれる指標も建設市場の「需要」を把握する際には良く活用されています。

但し、これらの指標やデータは、無料で手軽に入手することができますが、活用する際には注意が必要です。なぜならば、これらのデータが公表された時点では既に実態を表していない可能性や、根本的にデータ自体が信頼できないデータである可能性があるからです。

これは、一般にデータが収集されて公表されるまでに通常1か月から2か月程度の時間がかかること、統計データによってはデータの取得方法や作成方法に偏りが生じている場合があることが原因として挙げられます。その為、統計データを活用する際にはこれらの点に留意して活用することが必要となります。

②調査を実施するアプローチ!


2番目のアプローチとしてして挙げられるのは「調査を実施する方法」が挙げられます。この方法は一般的に、先に挙げた統計データで知りたい情報に辿り着けなかった場合、または統計データで得られた情報がどの程度実態に即しているか確認したい場合で検討するアプローチです。

例えば、新築オフィスの建設需要を調べていた際「統計データでは需要が大きいことを示すデータが得られたが実態でそうなっているのか?」と確認したい場合などが挙げられます。このような場合には、建設会社や設計事務所にコンタクトをとり「新築オフィスの案件が増えているか?」といった問いに対する回答を収集し、統計データが示す結果と照らし合わせて実態を確認していきます。

一般的に、調査の実施方法はアンケート票を郵送やメールで送付する「アンケート調査」と調査対象に直接会ってヒアリングを行う「ヒアリング調査」に分かれます。まず、アンケート調査では、多くのアンケート対象者に同時にアンケート票を送れるというメリットを抱える反面、アンケートに対する回答が返送されない、または、返送された回答の的が外れていて結果として採用できないといったデメリットも抱えます。

一方、ヒアリング調査は、ヒアリング対象者に直接会ってヒアリングを行う為、手間と時間がかかる場合がほとんどで、多くのヒアリング結果を収集することが簡単ではありません。しかしながら、ヒアリング対象者より、調査したい内容についてじっくりと話を聞くことができるので、アンケート調査では得られないような貴重な情報やより実態に即した突っ込んだ話を得られるケースがあります。

いずれの調査方法についても一長一短があるので、実施する調査の内容に基づいてより適切な調査方法を選択することが重要です。同様に、調査の対象者についても、有益な回答が得られる回答者を選定することが重要となります。なぜならば、調査を実施する方法や対象者を誤ると、せっかく時間をかけて行った調査も全く意味のない調査結果となる恐れがあるからです。

このように「調査を実施するアプローチ」は「公的な統計データを活用するアプローチ」と比較して、調査自体に手間がかかる一方、実態を良く把握している回答者に対して、自らが知りたいこと、得たい情報について直接質問できる為、統計データからでは得ることが難しい、より実情に即した情報を取得できる点が特徴として挙げられます。

③上手くまとめられた情報源を活用するアプローチ!


最後に挙げられるのは「上手くまとめられた情報源を活用する方法」です。これは、前述した公的な統計データや独自に実施された調査に基づいてまとめられた情報源を活用する方法です。

例えば、新聞やインターネットの記事、雑誌の特集などがこれに相当します。建設関連の専門誌では定期的に建設市場の「需要」等に関する調査を行い、それを記事として掲載している場合もある為、これらを活用することは時間や費用の関係上、非常に効率的なアプローチとなります。また、新聞や雑誌に掲載されているこれらの情報は、過去に類似の記事を作成した経験者が執筆している可能性が高い為、自らがゼロよりスタートして同様の情報を得ようとするよりも中身の濃い情報を得られるケースが多いのです。

しかしながら、これらの情報源による内容を活用する際には、全ての情報をそのまま鵜呑みにして活用するのではなく、例えば、統計データや調査データといった客観的な情報のみを抽出し、それらの情報を自分なりに整理してから自らの考察や結論を導くことが重要であります。なぜならば、これらの記事はデータによる客観的な情報のみを提供している場合もあれば、執筆者の主観的な考察や結論が記載されている場合もあるからです。

次回のコラムではこれまでの2回にわたり掲載してきた建設市場の「需要」について、その中身にフォーカスして解説を行います。

建設需要のPoint(2)
建設市場に関する「需要」を把握するには大きく3つのアプローチ!
①公的な統計データを活用するアプローチ!
②調査の実施するアプローチ!
③上手くまとめられた情報源を活用するアプローチ!

実務で役立つ建築費の相場【最新版】TOPへ
実務で役立つゼネコンの状況把握【最新版】TOPへ
業績から把握するデベロッパーランキング【最新版】TOPへ
購入の検討に役立つ住宅価格の相場【最新版】TOPへ
職選びで役に立つ建設業の年収相場【最新版】TOPへ

無料レポートダウンロード

「面白いほどよくわかる建設市場-需要編」はこちらから↓
(1)主力とするターゲットや商品開発を建設需要から導こう!
(2)知りたい情報に辿り着ける3つのアプローチ!
(3)簡単に無料で手に入る「統計データ」を積極的に活用しよう!
(4)需要の傾向を読み解いて市場の先行きを考えよう!
(5)「影響要因」を把握して説得力のある需要予測を導き出そう!

「関連記事-坪単価で把握する建築費」はこちらから↓
戸建て住宅の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
賃貸アパートの建築費は坪単価でどの程度の水準か?
シェアハウスの建築費は坪単価でどの程度の水準か?
マンションの建築費は坪単価でどの程度の水準か?
住宅の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
事務所の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
工場の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
倉庫の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
商業店舗の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
ホテルの建築費は坪単価でどの程度の水準か?
病院の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
福祉介護施設の建築費は坪単価でどの程度の水準か?
学校の建築費は坪単価でどの程度の水準か?

「関連記事-面白いほどよくわかる建設市場-供給編」はこちらから↓
(1)色々な視点から「建設業者の忙しさ」を把握しよう!
(2)「建設業者の忙しさ」を把握する具体的なアプローチとは!
(3)「建設業者の忙しさ」は業者の規模別に把握しよう!
(4)建設業者の供給状況を見抜いて実プロジェクトに応用しよう!

「関連記事-面白いほどよくわかる建設市場-価格編」はこちらから↓
(1)「建築費」とは!?と聞かれたら!
(2)「建築費」ってどうやって算出されるの!?
(3)実務で使われる「概算」の方法とは!?
(4)「建築費」に影響を与える要因とは!?
(5)「建築費」の水準や傾向を把握するアプローチとは!?

「関連記事-面白いほどよくわかる建設市場-建設市場予測編」はこちらから↓
(1)「建設市場」は「予想」でなく「予測」しよう!
(2)建築費が高騰/下落する仕組みとは!?
(3)建築費がいつ頃下落するか予測しよう!

「関連記事-海外建設市場シリーズ」はこちらから↓
(1)世界62か国で建設費が最も高い水準なのは!?
(2)世界の建設市場における労務費を比べてみる!
(3)世界における建設市場規模はどの程度か!?

「関連記事-建設統計からみた建設市場シリーズ」はこちらから↓
(1)2016年の「建築需要」と「建築費」の水準は!?
(2)建設市場における「受注高」「施工高」「未消化工事高」の水準は!?

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

記事を気に入ったらシェア!

合わせて読みたい

オススメの最新記事

この記事と同じカテゴリの質問


提供サービス

コラムカテゴリ

カテゴリー

専門家の種類

建物用途

資格

課題解決

サイトニュース

2016.7.19
「アーキブック」をリリースしました。