建設費・建築費を概算できるソフト・クラウド比較|企画段階・基本計画・基本設計で使える14サービス
最終更新日:2026年6月15日
「建築費が超高騰時代へ突入すると見込まれる具体的な理由とは」や「高騰が止まらない設備工事費の現状と今後の動向」で紹介したように、国内の建設市場では、資材価格、労務単価、設備工事費など複数のコスト上昇要因が重なり、2026年に入っても建築コストの上昇が続いています。
そのため、建設プロジェクトを進める際は、予算オーバーや物価上昇が原因で計画の延期や中止とならないように、企画段階や計画段階における建設費・建築費の概算がより重要になってきています。

そこで今回は、建設費・建築費を概算できるソフト、アプリ、クラウドサービスについて、企画段階・基本計画・基本設計のどこで使えるか、誰が活用するか、主な機能、料金、1人あたり費用などについて比較・整理していきます。
この記事で分かること
・企画段階・基本計画段階で使える建設費概算サービス
・建設費概算ソフト、クラウド、BIM概算、AI見積の違い
・各サービスの料金目安と1人あたり費用
・発注者、設計者、CM会社、建設会社営業の誰に向くか
・川上段階で概算サービスを選ぶときの注意点
目次
- 1. 建設費・建築費の概算が重要な理由
- 2. 段階と利用者で選ぶ
- 3. 建設費・建築費概算サービス早見表
- 4. 料金比較表:総額とユーザー1人あたり費用
- 5. フェーズ別の選び方
- 6. 主要サービス別の詳しい解説
- 7. 目的別おすすめサービス
- 8. 選ぶときのチェックポイント
- 9. FAQ
- 10. まとめ
- 11. 参考・出典
1. 建設費・建築費の概算が重要な理由
建物の企画や基本計画を進めるうえで、大きな論点になるのが「建設費はいくらかかるのか」です。
特に近年は、資材価格、労務費、設備工事費、施工者不足、インフレリスクなどの影響により、過去案件の坪単価や経験則だけでは建設費を読み切りにくくなっています。建設物価調査会の建築費指数でも、2026年5月時点の東京における集合住宅RC造、事務所S造、工場S造、木造住宅の工事原価指数はいずれも2015年平均を大きく上回る水準となっています。
企画段階で建設費を大きく見誤ると、土地取得、事業収支、融資、設計方針、施工者選定、VE/CDのすべてに影響します。そのため、企画段階・基本計画段階・基本設計段階では、建設費や建築費を概算できるソフト、アプリ、クラウドサービスやコストマネジメントサービスを活用し、早い段階からコストを可視化することが重要です。
ただし、建設費を概算するこれらのサービスはすべて同じではありません。図面がない企画段階で使いやすいサービスもあれば、BIMモデルやCADデータを前提に数量を拾うサービス、構造躯体の数量把握に強いサービス、住宅・工務店向けの営業見積に強いサービスもあります。
この記事では、建設費・建築費を概算できる主要なソフト、アプリ、クラウドサービスを比較し、どの段階で使えるのか、誰が活用するのか、どのような機能があるのか、料金はいくらかを比較・整理します。
2. 建設費概算サービスは「段階」と「利用者」で選ぶ
建設費や建築費の概算サービスは、価格だけで選ぶのではなく、企画段階・基本計画段階・基本設計段階のどこで使うのか、発注者・設計者・積算担当者・施工者の誰が使うのかで選ぶべきです。
2-1. 企画段階
図面がなくても使えるクラウド型や、土地・ボリューム検討に強いサービスが向いています。発注者、不動産会社、デベロッパー、金融機関、CM会社などが、事業成立性や投資判断のために使うケースが中心です。
2-2. 基本計画段階
建物用途、規模、構造、階数、グレードなどが固まり始めるため、複数案比較、構造変更、仕様変更、VE/CDに対応できるサービスが有効です。設計者、CM会社、ゼネコン営業、積算担当者が使うケースが多くなります。
2-3. 基本設計段階
BIM、CAD、構造計算データと連動して、数量根拠を持った概算・積算に進めるサービスが有効です。設計事務所、ゼネコン、積算事務所、構造設計者、BIM担当者に向いています。
2-4. 住宅会社・工務店
戸建住宅やリフォームの営業見積、CAD連動見積、AI見積、原価管理まで含めて検討するのが現実的です。
3. 建設費・建築費概算サービス早見表
まずは主要なサービスについて、活用する主な段階と料金の目安から整理します。各サービスの詳細は後半の個別解説で確認してください。
| サービス | 主な段階 | 料金目安(税抜) |
|---|---|---|
| 1 アーキブックコスト | 企画〜基本計画 | 5万円/24h〜 |
| 2 CostNavi LAND | 企画・土地検討 | 38万円 |
| 3 CostNavi Pro | 基本計画〜基本設計 | 85万円 |
| 4 COST-CLIP | 企画〜基本設計BIM | 初年度48万円 |
| 5 HELIOS | 基本設計〜詳細積算 | 78万円〜 |
| 6 ARCHITREND ZERO | 住宅設計・住宅見積 | 90万円+オプション |
| 7 ARCHITREND ONE 積算 | 住宅営業・見積 | 3万円/月目安 |
| 8 COST BIM S2 | Revit基本設計 | 1万円 |
| 9 COST BIM / FKS | Revit・BIM積算 | 30万円/年〜 |
| 10 構造モデラー+COST | 構造躯体概算 | 追加0円〜 |
| 11 SS7 Op.積算 | 構造計算連動 | 要問い合わせ |
| 12 やさしいBIM for 概算 | 企画・計画 | 要問い合わせ |
| 13 AQA コストマネジメント | 基本計画〜施工 | 要問い合わせ |
| 14 コンクルーAI | 小規模工事・改修見積 | 9900円/月〜 |
料金は税抜換算で整理しています。記事公開時には各サービスの公式ページで最新情報を確認してください。買い切り型ソフトは、便宜上「1ライセンス=1人利用」として1人あたり料金を整理しています。
4. 料金比較表:総額とユーザー1人あたり費用
| サービス | 総額・料金(税抜) | 1人あたり料金の目安 |
|---|---|---|
| 1 アーキブックコスト | 1日プラン:5万円/24時間 月間プラン:15万円/30日 年間プラン:150万円/年 | 1日プラン:1名まで。5万円/人 月間プラン:最大3名。約5万円/月/人 年間プラン:最大10名。15万円/年/人、1万2500円/月/人 |
| 2 CostNavi LAND | 38万円、更新3万円/年 | 1ライセンス換算で38万円/人 |
| 3 CostNavi Pro | 85万円、更新8万円/年 | 1ライセンス換算で85万円/人 |
| 4 COST-CLIP | 初年度48万円、2年目以降30万円 | 1ライセンス換算で初年度48万円/人 |
| 5 HELIOS | 78万円〜、保守7万8000円/年〜 | 最小構成なら初年度85万8000円〜/人 |
| 6 ARCHITREND ZERO | ZERO基本90万円+オプション6万円〜 | 1ライセンス換算で90万円+必要オプション/人 |
| 7 ARCHITREND ONE 基本+積算 | 基本1万5000円/月+積算1万5000円/月=3万円/月 | 30ID利用時、約1000円/月/人 |
| 8 COST BIM S2 | 1万円/1ライセンス・買い切り | 1万円/人 |
| 9 COST BIM / FKS | COST BIM:30万円/年 FKS RC / FKS FN:各22万8000円/年 | COST BIM:30万円/年/人 FKS RC / FKS FN:22万8000円/年/人 |
| 10 構造モデラー+COST | +NBUS会員は標準利用。前提ソフト費用は別途 | 既存+NBUS会員なら追加0円相当 |
| 11 Super Build/SS7 Op.積算 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 12 やさしいBIM for 概算 | 要問い合わせ | 案件単位の見積想定 |
| 13 AQA コストマネジメント | 要問い合わせ | 案件単位の見積想定 |
| 14 コンクルーAI | 9900円/月〜 | 最小構成1名利用のため9900円/月〜/人 |
料金は公開情報をもとに税抜換算で整理しています。サービスによって買い切り・年額・月額、ユーザー上限、保守費、オプション費の扱いが異なるため、最終的な導入判断では必ず見積確認が必要です。
5. フェーズ別に見る、建設費概算サービスの選び方
5-1. 企画段階
図面がない段階では、少ない条件で概算できるサービスが向く
企画段階では、まだ設計図がありません。この段階で必要なのは、詳細積算ではなく、事業を進めるべきか判断できるレベルの概算建設費です。
主な利用者は、発注者、不動産会社、デベロッパー、金融機関、CM会社、設計者の上流担当です。
・この土地で事業は成立するのか
・延床面積が何㎡なら予算内に収まるのか
・今の建設費相場で利回りは成立するのか
・融資相談に使える建設費の目安はあるか
・設計者や施工会社に相談する前に予算感をつかめるか
向いているのは、クラウド型の概算サービス、土地検討向けの概算ソフト、企画・計画段階向けのBIM概算サービスです。
5-2. 基本計画段階
複数案比較とVE/CDには、詳細条件設定型、数量×単価型やBIM概算が強い
基本計画段階では、建物用途、規模、階数、構造、グレード、ゾーニングなどが固まり始めます。この段階では、単なる坪単価ではなく、どの仕様変更がどれくらいコストに効くのかを見る必要があります。
・S造とRC造でどれくらい差が出るか
・地下階をなくすといくら下がるか
・建物グレードを変えるとどの程度変わるか
・構造スパンや階高がコストに与える影響は大きいか
・発注者予算に合わせるため、どこでVE/CDすべきか
そのため、基本計画段階では、詳細に条件設定が可能な概算ソフト、数量×単価型の概算見積ソフト、BIM概算ツール、発注者側のコストマネジメントサービスが有効です。
5-3. 基本設計段階
BIM積算・CAD連動・構造数量で精度を上げる
基本設計段階では、建物の形状、構造、主要仕上、設備方針などが具体化します。この段階では、概算といっても、事業判断だけでなく、発注前の予算管理、見積査定、設計変更判断に耐える精度が求められます。
この段階では、BIM対応の数量積算ソフト、Revitアドオン、住宅CAD連動積算、構造計算データ連動の躯体数量概算などが候補になります。
6. 主要サービス別の詳しい解説
各サービスの詳細は、以下のリンクから確認できます。
- 6-1. アーキブックコスト
- 6-2. CostNavi LAND
- 6-3. CostNavi Pro
- 6-4. COST-CLIP
- 6-5. HELIOS
- 6-6. ARCHITREND ZERO
- 6-7. ARCHITREND ONE 積算オプション
- 6-8. COST BIM S2
- 6-9. COST BIM / FKS
- 6-10. 構造モデラー+COST
- 6-11. Super Build/SS7 Op.積算
- 6-12. やさしいBIM for 概算
- 6-13. AQA コストマネジメント
- 6-14. コンクルーAI
6-1. アーキブックコスト
企画段階からプロジェクト全体を可視化する建設費概算クラウド
アーキブックコストは、企画段階・基本計画段階で、概算建設費を早期に把握したい発注者、不動産会社、設計者、建設会社の営業部門、CM会社、金融機関などに向くクラウドサービスです。
単一用途・面積・構造を中心とした概算建設費の算出に加え、複合用途、立地・地域環境、敷地・施工条件、杭・地盤改良、制震・免震、発注方式、PM/CMの有無、機械式駐車場、解体工事など、実際のプロジェクトに近い詳細な条件を反映できるのが特徴です。
また、出力面では、用途別コスト分析、類似案件・市場相場との比較、概算事業期間、概算解体工事費、概算設計費、概算PM/CM費、5年先のインフレリスクや設計変更リスクなども一体で確認できます。
料金は、1日プラン50,000円/24時間、月間プラン150,000円/30日、年間プラン1,500,000円/年で、いずれも税抜です。1日プランは1名、月間プランは最大3名、年間プランは最大10名まで利用できます。なお年間プランユーザーは年2回更新される建設市場動向レポート(100ページ超のA4詳細版およびA3概要版)がダウンロード可能となります。
【向いている利用者】
発注者、不動産会社、デベロッパー、設計者、建設会社の営業部門、CM会社、金融機関、不動産鑑定士など
【向いている段階】
企画段階、基本計画段階、土地取得前、融資相談前、事業収支検討、発注方式の検討
注意点として、詳細な実施設計積算や施工者見積の査定そのものを行う専門積算ソフトではありません。企画段階から基本計画段階で、建設費、関連コスト、事業期間、市場比較、リスクを俯瞰するためのサービスとして位置づけるのが適切です。
6-4. COST-CLIP
企画・基本計画・基本設計で使えるBIM概算ツール
COST-CLIPは、BIMモデルからコストを算出するBIMアドイン概算システムです。BIMモデルからのコスト算出だけでなく、BIMにない概算項目の自動計上にも対応し、設計初期段階から概算コストを把握できることが特徴です。
対象BIMソフトはRevitとArchicadで、対象設計フェーズは企画段階、基本計画、基本設計、概算対象は建設工事費全般です。最低限必要なBIMモデルとして、各階に部屋が配置されていることが示されています。
料金は、建設ITガイド掲載情報では標準価格として初年度480,000円税別、2年目以降300,000円税別とされています。
【向いている利用者】
BIMを使う設計事務所、ゼネコン、CM会社、積算担当者
【向いている段階】
企画段階から基本設計まで
BIMモデルの作成・運用が前提になります。BIMを使っていない組織では、ソフト単体ではなくBIM運用体制も含めて検討する必要があります。
6-5. HELIOS
BIM対応の本格数量積算システム
HELIOSは、BIM対応の建築数量積算システムで、基本設計以降の数量積算や工種別見積に向く専門ツールです。構造積算、仕上積算、見積書インターフェース、BIM連携などの機能を備えています。
スタンドアロンタイプの料金は、購入料金780,000円税別から、年間保守料金78,000円税別からとされています。
【向いている利用者】
積算事務所、ゼネコン、設計事務所、積算部門
【向いている段階】
基本設計、実施設計、詳細積算、見積精査
企画段階の発注者が手軽に使う概算クラウドではなく、積算実務向けの専門ツールとして見るべきです。
6-6. ARCHITREND ZERO
住宅会社・工務店向けの設計・積算見積CAD
ARCHITREND ZEROは、住宅設計向けの3D建築CADで、基本設計、プレゼン、実施設計、確認申請、積算見積、リフォームなどに対応する製品です。積算関連のオプションとして、基本積算、木造躯体積算、手間なし積算などがあります。
価格は、ZERO基本が900,000円税抜で、オプションプログラムは60,000円からです。ただし、プログラム構成、契約ライセンス本数、保守サポートなどにより価格が異なるため、正確な導入費用は見積確認が必要です。
【向いている利用者】
住宅会社、工務店、住宅設計事務所、リフォーム会社
【向いている段階】
住宅営業、基本設計、住宅見積、リフォーム見積
非住宅の大規模建築や複合用途建築の企画段階概算には、別の概算クラウドやBIM概算、コストマネジメントサービスの方が向いています。
6-7. ARCHITREND ONE 積算オプション
住宅見積をクラウドで効率化
ARCHITREND ONEの積算オプションは、クラウド上で住宅の積算・見積業務を行うサービスです。ARCHITREND ZEROやARCHITREND Modelioのデータと連携し、見積作成、仕様切り替え、積算箇所の可視化、CAD連動による数量反映などに対応します。
料金は、基本プラン15,000円/月、積算オプション15,000円/月で、合計30,000円/月が実務上の目安です。基本プランは30ID・ストレージ1TBで、積算オプションのアカウント数も基本プランに準拠します。
【向いている利用者】
住宅会社、工務店、営業担当、積算担当
【向いている段階】
住宅営業初期、見積作成、仕様変更時の見積更新
6-8. COST BIM S2
Revitモデルから安価に概算を試せるアドオン
COST BIM S2は、Autodesk Revitの建築BIMモデルから、基本設計段階の概算コストを出力するアドオンソフトです。数量と単価はExcelに出力でき、集計対象は躯体、内部仕上、外部仕上、建具です。
価格は10,000円、1ライセンス買い切り、税別です。Revitを使っていて、まず低コストでBIM概算を試したい設計者やBIM担当者に向いています。
【向いている利用者】
Revitを使う設計者、BIM担当者、概算検証を試したい設計事務所
【向いている段階】
基本設計段階
建築積算基準は考慮されず、BIMモデルの形状情報から実数量を取得するツールです。また、現在はRC造のみ対応で、鉄筋や型枠数量は出力されません。
6-9. COST BIM / FKS
Revitと積算をつなぐBIM積算アドイン
COST BIMは、Autodesk Revitのアドインツールで、ファミリ生成、内装仕上部材の配置、材料ごとの数量算出までを支援します。FKS 2.0で仕上リストを作成し、COST BIMフォーマットで出力することで、BIMモデルと積算業務をつなげる構成です。
料金は、COST BIMが1ライセンス330,000円/年税込、FKS RC 2.0とFKS FN 2.0はそれぞれ1ライセンス250,800円/年税込です。
【向いている利用者】
Revitを使う積算担当者、BIM担当者、積算事務所、ゼネコン
【向いている段階】
基本設計から実施設計寄り
COST BIMは数量積算基準には準拠していないと明記されています。そのため、BIMからの数量把握や概算補助として使い、最終的な積算ルールは別途確認する必要があります。
6-10. 構造モデラー+COST
構造躯体数量の概算に強い
構造モデラー+COSTは、構造モデラー上でRC、SRC、S、CFT造の上部建物と基礎の構造躯体数量を概算するソフトです。建築数量積算基準・同解説平成29年版に基づき、コンクリート、型枠、鉄筋、鉄骨、基礎部の土工・地業数量などを算出できます。
+NBUS会員は標準で使用でき、構造モデラー+NBUS7のセットアップファイルに含まれるため、すでに前提環境を持つ会社にとっては追加コストを抑えやすいサービスです。
【向いている利用者】
構造設計者、構造積算担当、ゼネコン、設計事務所
【向いている段階】
構造計画、基本設計、躯体コスト検討
建物全体の概算建設費を出すというより、躯体数量、コンクリート、型枠、鉄筋、鉄骨の数量把握に向いています。
6-11. Super Build/SS7 Op.積算
SS7データから建築数量を計算
Super Build/SS7 Op.積算は、一貫構造計算ソフトウェアSS7のデータをもとに建築数量を計算するオプションソフトです。SS7のデータを基に、建築数量を計算でき、平成29年度版の建築数量積算基準・同解説に対応しています。
RC、S、SRC、CFTの主体構造に対応し、基礎、基礎梁、床、壁、パラペット、土工・地業なども集計対象に含まれます。計算結果は、シート出力、計算書形式、CSV形式で出力できます。
【向いている利用者】
SS7を使う構造設計者、構造積算担当、ゼネコン
【向いている段階】
基本設計、構造設計、躯体数量確認
公式ページ上では価格が確認できないため、料金は要問い合わせと整理するのが安全です。
6-12. やさしいBIM for 概算
企画・計画段階からBIMで数量概算
やさしいBIM for 概算は、日建設計コンストラクション・マネジメントが提供するBIM概算支援サービスです。企画・計画段階において、面積当たりの坪単価ではなく、BIMモデルから数量を算出して概算を行うことを目的としています。
川上段階から定量的なコストを算出することで、VE/CDの効果検証や事業性評価の精度を高め、より確かな意思決定を支援するサービスです。料金は公式ページ上では公開されていないため、要問い合わせです。
【向いている利用者】
発注者、デベロッパー、CM会社、設計者
【向いている段階】
企画段階、基本計画段階
単なるソフトウェアというより、発注者側の意思決定や事業性評価を支援するBIM活用型のコンサルティングサービスとして見るのが適切です。
6-13. AQA コストマネジメント
発注者側で見積妥当性を検証するサービス
AQAの建設コストマネジメントは、工事費予算立案支援、概算工事費算出、VE提案、見積精査、施工者選定支援を行う発注者向けサービスです。企画段階では工事費予算の策定、設計段階ではコスト変動要因の確認、発注段階では施工者選定や見積精査を支援します。
料金は公式ページ上では公開されていないため、要問い合わせです。案件規模、対象範囲、支援期間、成果物によって費用が変わるタイプのサービスと考えるのが自然です。
【向いている利用者】
発注者、PM、CM、不動産会社、投資家側のプロジェクト担当
【向いている段階】
基本計画、基本設計、施工者選定、実施設計、施工段階
施工者見積が妥当か、予算超過リスクがあるか、VE/CDの余地があるかを第三者的に確認したい場合に向いています。
6-14. コンクルーAI
中小建設会社向けのAI見積・原価管理クラウド
コンクルーAIは、中小建設会社向けのAIオールインワン業務管理クラウドです。AIが図面や写真を理解して概算見積を生成し、作成中の見積修正や比較案の自動提案にも対応します。工程表作成、売上・粗利の可視化、原価管理なども含めた業務管理ツールとして位置づけられています。
料金は、最小構成1名利用で9,900円/月、税込10,890円/月からです。利用人数に応じて料金プランが異なります。
【向いている利用者】
中小建設会社、工務店、専門工事会社、改修工事会社
【向いている段階】
小規模工事、改修工事、営業見積、原価管理、施工管理
大規模建築の企画段階で事業収支を検討するサービスというより、建設会社側の見積・原価・施工管理を効率化するクラウドとして見るべきです。
7. 目的別おすすめサービス
7-1. 企画段階で建設費と事業全体を把握したい場合
企画段階では、図面がまだない、または情報が少ない状態で概算する必要があります。この段階で重視すべきなのは、詳細な数量積算ではなく、事業判断に使えるコスト感、期間、関連費用、リスクの可視化です。
| 目的 | 候補 |
|---|---|
| 建設費・関連費・事業期間まで見たい | アーキブックコスト |
| 将来のインフレリスクを把握したい | アーキブックコスト |
| 土地取得前に建物ボリュームとコストを見たい | CostNavi LAND |
| BIMで数量根拠のある概算をしたい | やさしいBIM for 概算 |
| 発注者側で第三者的にコストを見たい | AQA コストマネジメント |
7-2. 基本計画でVE/CDや仕様比較をしたい場合
基本計画では、構造、仕上、階数、グレード、外装、設備方針などの変更が、コストにどの程度影響するかを把握する必要があります。
| 目的 | 候補 |
|---|---|
| 構造・形状・仕様など条件変更の影響を見たい | アーキブックコスト CostNavi Pro |
| BIMモデルを使って設計初期から概算したい | COST-CLIP |
| 発注者側で見積やVE/CDを検証したい | AQA コストマネジメント |
| BIMで定量的なVE/CD検証をしたい | やさしいBIM for 概算 |
7-3. 基本設計以降でBIM積算・数量積算をしたい場合
| 目的 | 候補 |
|---|---|
| 本格的な建築数量積算をしたい | HELIOS |
| Revitで低コストに概算を試したい | COST BIM S2 |
| Revitと積算業務をつなげたい | COST BIM / FKS |
| BIMモデルから初期概算を回したい | COST-CLIP |
7-4. 住宅会社・工務店が営業見積を効率化したい場合
| 目的 | 候補 |
|---|---|
| 住宅CADと連動して見積したい | ARCHITREND ZERO |
| クラウドで住宅見積を効率化したい | ARCHITREND ONE 積算オプション |
| 小規模工事・改修工事のAI見積を使いたい | コンクルーAI |
| 原価管理や工程管理まで一元化したい | コンクルーAI |
7-5. 構造躯体の数量・コストを早期に把握したい場合
| 目的 | 候補 |
|---|---|
| 構造モデラー環境で躯体数量を出したい | 構造モデラー+COST |
| SS7データから躯体数量を出したい | Super Build/SS7 Op.積算 |
| 構造計画段階で躯体数量を比較したい | 構造モデラー+COST、SS7 Op.積算 |
8. 建設費概算サービスを選ぶときのチェックポイント
8-1. 企画段階で使うのか、基本設計で使うのか
最も重要なのは、利用フェーズです。企画段階では、入力情報が少ないため、クラウド型や類似事例型が向いています。基本計画では、複数案比較やVE/CDが必要になるため、詳細に条件が設定できるタイプ、数量×単価型やBIM概算が向いています。基本設計では、BIMやCAD、構造データを活用した概算・数量積算が向いています。
8-2. 発注者が使うのか、設計者が使うのか、積算担当が使うのか
発注者が使うなら、操作が簡単でレポートが分かりやすいサービスが重要です。設計者が使うなら、案の変更に追随できるシミュレーション性が重要です。積算担当が使うなら、数量根拠、内訳、単価更新、BIM連携が重要です。
8-3. 坪単価型か、詳細条件設定型か、数量×単価型か、BIM型か
| 方式 | 特徴 | 向いている段階 |
|---|---|---|
| 坪単価・㎡単価型 | 早いが粗い | 企画初期 |
| 類似事例・市場比較型 | 相場感を把握しやすい | 企画、基本構想 |
| 詳細条件設定型 | プロジェクト条件の違いによる影響を見やすい | 企画~基本計画 |
| 数量×単価型 | 仕様や構造変更の影響を見やすい | 基本計画、基本設計 |
| BIM数量型 | 設計モデルと連動しやすい | 基本計画、基本設計以降 |
| AI見積型 | 小規模工事や過去案件活用に強い | 営業見積、改修、小規模工事 |
8-4. 建設費の対象範囲を確認する
概算建設費といっても、サービスごとに対象範囲は異なります。本体工事のみなのか、外構、設備、仮設、設計料、諸経費、解体費、造成費、消費税を含むのか、構造躯体だけなのか、住宅だけなのか、非住宅にも使えるのかを確認する必要があります。ここを確認しないと、サービス同士の金額を単純比較できません。
8-5. 単価データの更新頻度を確認する
建設費が上昇している局面では、古い単価データを使うと概算の意味が薄くなります。そのため、単価データ、地域補正、時点補正、市場相場データ、ユーザー単価の登録可否を確認することが重要です。
9. FAQ
・建設費概算ソフトと積算ソフトの違いは何ですか?
建設費概算ソフトは、企画段階や基本計画段階で、建物の大まかな工事費を把握するためのものです。積算ソフトは、図面や仕様が固まった段階で、数量、単価、内訳を細かく算出するためのものです。
・図面がなくても建築費を概算できますか?
できます。ただし、精度には限界があります。図面がない段階では、地域、用途、規模、構造、階数、グレード、敷地条件などから概算するサービスが向いています。一方で、基本設計以降の精度を求める場合は、BIM、CAD、数量積算、施工者見積などと併用する必要があります。
・発注者が自分で使いやすいサービスはどれですか?
発注者が自分で使うなら、クラウド型で、概算結果をレポートとして確認できるサービスが向いています。土地取得、事業収支、融資相談、社内稟議、発注方式の検討に使うなら、建設費だけでなく、関連費用や事業期間も確認できるサービスが有効です。
・設計者がVE/CDに使いやすいサービスはどれですか?
設計者がVE/CDに使うなら、構造、仕上、形状、階数、グレードの変更によるコスト影響を比較できるサービスが向いています。数量×単価型の概算見積ソフトや、BIMモデルから概算できるサービスが候補になります。
・BIMで建設費概算をするならどのサービスがよいですか?
BIM概算なら、設計初期から使えるBIM概算ツール、Revitアドオン、本格的なBIM数量積算システムが候補になります。初期段階の概算ならCOST-CLIPややさしいBIM for 概算、Revitで簡易に試すならCOST BIM S2、積算実務までつなげるならHELIOSやCOST BIM / FKSが候補です。
・住宅会社や工務店に向いている概算見積サービスはありますか?
住宅会社や工務店なら、ARCHITREND ZERO、ARCHITREND ONE 積算オプション、コンクルーAIが候補です。戸建住宅やリフォームでは、CAD連動見積やAI見積により、営業段階の見積作成を効率化しやすいです。小規模工事や改修工事では、見積だけでなく原価管理や工程管理まで一元化できるサービスも有効です。
・1人あたり料金で比較すると、どのサービスが安いですか?
単純な1人あたり料金だけで見ると、COST BIM S2やコンクルーAI、ARCHITREND ONE 積算オプションは導入しやすい価格帯です。ただし、安いサービスが常に最適とは限りません。発注者の事業判断に使うのか、設計者のVE/CDに使うのか、積算担当者の数量算出に使うのかで、必要な機能と精度が変わります。
・建設費概算サービスは発注者でも使えますか?
はい、発注者でも利用できます。特に企画段階や基本計画段階では、詳細図面がなくても建物用途、規模、構造、立地条件などから概算できるクラウド型サービスが有効です。社内稟議、融資相談、土地取得判断、設計者・施工者との初期協議に使いやすいです。
・企画段階の建設費概算はどの程度の精度ですか?
企画段階の概算は、実施設計後の積算や施工者見積と同じ精度を前提にするものではありません。建物用途、規模、構造、仕様、地盤、施工条件、発注方式などの条件が粗いほど誤差は大きくなります。目的は最終金額の確定ではなく、事業成立性や予算レンジ、リスクの把握です。
・坪単価だけで建設費を概算すると危険ですか?
坪単価は初期の目安として便利ですが、建物形状、階数、構造、地盤条件、設備グレード、施工条件、地域差、物価上昇リスクを十分に反映しにくい点に注意が必要です。企画段階では参考値として使い、基本計画以降は詳細条件設定型、数量×単価型、BIM概算などで補完するのが現実的です。
・建設費概算にインフレリスクは反映できますか?
サービスによっては、建設市場動向や将来の物価上昇を考慮したリスク分析に対応できます。ただし、すべての概算ソフトがインフレリスクを自動反映できるわけではありません。長期プロジェクトでは、着工時期、事業期間、発注方式、資材・労務単価の変動を別途確認することが重要です。
・土地取得前に建設費を概算する方法はありますか?
あります。土地取得前は、用途地域、敷地面積、建ぺい率、容積率、想定用途、構造、階数などの条件から、建物ボリュームと概算建設費を検討します。土地検討向けの概算ソフトやクラウド型概算サービスを使うと、事業収支や取得可否の初期判断に活用しやすいです。
・建設費概算サービスとCM会社のコストマネジメントはどう違いますか?
建設費概算サービスは、ソフトやクラウドを使って条件入力やデータベースから概算を算出するものです。一方、CM会社のコストマネジメントは、発注者側の立場で予算策定、見積精査、VE/CD、施工者選定支援などを総合的に行います。初期検討は概算サービス、重要判断や見積査定はCM支援を併用する方法もあります。
・建設費概算クラウドとBIM概算はどう使い分けますか?
建設費概算クラウドは、図面やBIMモデルがない企画段階でも使いやすく、事業初期の予算感や関連コストの把握に向いています。BIM概算は、BIMモデルがある場合に数量根拠を持ってコストを確認しやすい方法です。企画段階はクラウド型、基本計画以降はBIM概算や数量×単価型を併用すると効果的です。
10. まとめ
建設費概算サービスは、価格ではなく「使う段階」と「判断目的」で選ぶ
建設費・建築費を概算できるソフトやクラウドサービスは、単純に価格だけで選ぶべきではありません。
企画段階で、建設費だけでなく、事業期間、関連コスト、市場比較、インフレ・設計変更リスクまで把握したいなら、クラウド型の概算サービスが有力です。
土地取得やボリューム検討なら、土地検討向けの概算ソフトが候補になります。基本計画・基本設計でVE/CDや仕様比較を行うなら、数量×単価型の概算見積ソフトが向いています。BIMで初期段階から概算したいなら、BIM概算ツールやBIM活用型のコストマネジメントサービスが候補になります。
基本設計以降の数量積算なら、BIM対応積算ソフトやRevitアドオンが有効です。住宅会社・工務店の営業見積なら、住宅CAD連動積算やAI見積クラウドが向いています。構造躯体数量を見たいなら、構造計算データと連動する躯体数量概算ツールが候補になります。
重要なのは、どの段階で、誰が、何の判断に使うのかです。
・事業を進めるか判断したいのか
・土地取得の可否を見たいのか
・設計案を比較したいのか
・VE/CDを行いたいのか
・施工者見積を査定したいのか
・住宅や改修工事の見積を効率化したいのか
目的が違えば、選ぶべきサービスも変わります。建設費が読みづらい時代だからこそ、企画段階から建設費概算ツールやコストマネジメントサービスを活用し、事業判断、設計判断、発注判断を早期に可視化することが、プロジェクト成功の重要な条件になります。
11. 参考・出典
| サービス・資料 | 参照リンク |
|---|---|
| 建設物価調査会 | ・建築費指数 |
| アーキブックコスト | ・公式サイト ・料金プラン ・メジャーアップデートのお知らせ |
| CostNavi LAND | ・公式ページ ・購入・価格情報 |
| CostNavi Pro | ・公式ページ ・購入・価格情報 |
| COST-CLIP | ・公式ページ ・建設ITガイド掲載情報 |
| HELIOS | ・製品情報 ・価格情報 |
| ARCHITREND ZERO | ・公式ページ ・価格情報 |
| ARCHITREND ONE 積算オプション | ・製品・価格情報 |
| COST BIM S2 | ・公式ページ |
| COST BIM / FKS | ・COST BIM 公式ページ ・サブスクリプション料金 |
| 構造モデラー+COST | ・公式ページ |
| Super Build/SS7 Op.積算 | ・公式ページ |
| やさしいBIM for 概算 | ・公式ページ |
| AQA コストマネジメント | ・公式ページ |
| コンクルーAI | ・公式サイト ・料金ページ |
公開情報の確認日:2026年6月13日。料金、機能、対応範囲は変更される可能性があるため、記事公開前に各公式サイトの最新情報を確認してください。

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